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  • 半藤一利さん追悼ムック「半藤一利の昭和史」、最期の著作『歴史探偵 忘れ残りの記』発売決定

    2021年02月03日
    知る・学ぶ
    ほんのひきだし編集部
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    1月12日(火)に90歳で亡くなった作家・昭和史研究家、半藤一利さんの追悼ムック「半藤一利の昭和史」が、2月17日(水)、文藝春秋より発売されることになりました。

    また19日(金)には、最期の著作『歴史探偵 忘れ残りの記』が文春新書として発売。これらに先立ち、2月10日(水)発売の「文藝春秋」3月号には、追悼特集「さようなら、半藤一利さん」として、絶筆原稿(一部)のグラビア写真や、保阪正康さん・磯田道史さんの寄稿が掲載されます。

    追悼ムック「半藤一利の昭和史」には、“なぜ日露戦争に勝利した日本が太平洋戦争で大敗を喫したのか”をはじめ、半藤昭和史のエッセンスに触れることができる原稿用紙60枚近くに及ぶ力作「なぜ明治は勝利し昭和は破れたのか」や、平成生まれの学生らとの対話を記録した単行本未収録の「東大生が半藤さんに聞いた昭和の歴史」、保阪正康さんや宮部みゆきさん、池上彰さんらによる特別寄稿、半藤さんが自ら選び解説した昭和を振り返る写真の数々、絶筆となった『歴史探偵 忘れ残りの記』あとがきの肉筆原稿などを掲載。

    また最期の著作『歴史探偵 忘れ残りの記』は、1999年から2020年まで、文藝春秋営業部が書店向けに配布していたパンフレット「新刊のお知らせ」の巻頭コラムを中心に編集した、6章からなる随筆集となっています。

    半藤一利さんは1930(昭和5)年生まれ、東京大学文学部卒。1953(昭和28)年に文藝春秋へ入社後、「漫画讀本」編集長、「文藝春秋デラックス」編集長、「週刊文春」編集長、「文藝春秋」編集長、「くりま」編集長などを歴任。専務取締役、常任顧問を経て1994(平成6)年に退社。『ノモンハンの夏』で山本七平賞、『漱石先生ぞな、もし』で新田次郎文学賞、『昭和史』で毎日出版文化賞特別賞を受賞。2015(平成27)年には菊池寛賞を受賞しました。

    追悼ムック「半藤一利の昭和史」
    5つの読みどころ

    1.単行本未掲載も! 渾身の論考&東大生への白熱講義
    「なぜ明治は勝利し昭和は敗れたのか」は、「文藝春秋」2008年2月号に寄せられた原稿用紙で、60枚近くに及ぶ力作。昭和天皇と明治天皇の時代を比較、なぜ日露戦争に勝利した日本が、太平洋戦争で大敗を喫したのか。伊藤博文、児玉源太郎、小村寿太郎ら「チーム明治」が率いた明治と、東條英機、近衛文麿らが道を誤った昭和。時代を超えたリーダー論としても必読。半藤昭和史のエッセンスがここに!
    「東大生が半藤さんに聞いた昭和の歴史」は単行本未掲載。東京大学教養学部、平成生まれの立花隆ゼミの学生たちとの対話。自らの体験を踏まえ、昭和という時代をわかりやすく語りかける半藤さんと、鋭い質問をなげかける学生たち。歴史のバトンが受け渡される瞬間の記録です。

    2.豪華メンバーが特別寄稿「半藤さんから受けとったもの」
    長年の盟友でベストセラー『昭和の怪物 七つの謎』で知られる保阪正康さん、高校の後輩でもあり親交の厚かった作家宮部みゆきさん、対談集も出している池上彰さん、佐藤優さん、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』の著者で東大大学院教授の加藤陽子さんなど、半藤さんの膨大な仕事から、私たちが受け継ぐべきものは何かを語っています。

    3.朝日新聞の倉庫に眠っていた7万枚から半藤さんが精査したとっておきの秘蔵写真
    盧溝橋事件、上海炎上、南京陥落、三国同盟締結、南部仏印進駐、広島原爆ほか、昭和の戦争の決定的瞬間を、半藤さんの解説付きで大公開!

    4.半藤一利×磯田道史「歴史の巨人」2人が「近代日本のルーツ」幕末を語り尽くした!
    「昭和の始まりは幕末にあり」とは半藤さんのことば。博覧強記の2人が「近代日本の根っこ」を鮮やかに論じる熱中対談。

    5.絶筆 最後に託された肉筆原稿
    『歴史探偵 忘れ残りの記』のための、まえがきとあとがき。〈わたくしは、ゴルフもやらず、車の運転もせず、旅行の楽しみもなく……ただただ昭和史と太平洋戦争の“事実”を探偵することに若いころから妙にのめりこんできて、一人でコツコツと続けて、いつの間にか九十歳の老耄(おいぼ)れとなってしまった〉――。最後まで現役だった半藤さんの「あとがき」の原稿を写真と活字で掲載。このほかにも、半藤さんによる「70人の昭和人物列伝」「絶対オススメ 半藤一利の書いた90冊」など、読みどころ満載。

    最期の著作『歴史探偵 忘れ残りの記』について
    1999年から2020年まで文藝春秋営業部が書店向けに配布していたパンフレット「新刊のお知らせ」の巻頭に掲載されていたコラム(一部は『歴史のくずかご』として刊行済み)を中心に編集されたもので、半藤さんはあとがきで「むずかしいことをやさしく/やさしいことをふかく」書いたと記しています。そのため、より自由に筆の赴くままにテーマを選ぶことができた、半藤さんらしい内容となっています。目次も以下のように多岐に及んでいます。書名にある「忘れ残りの記」とは吉川英治氏の著書から拝借したもので、これも半藤さんご自身の希望によるものです。

    目次
    第1章 昭和史おぼえ書き/第2章 悠々閑々たる文豪たち/第3章 うるわしの春夏秋冬/第4章 愛すべき小動物諸君/第5章 下町の悪ガキの船出/第6章 わが銀座おぼろげ史


    文春新書担当編集者より
    本書の企画が動き出したのは、2020年初夏のことです。当初は、文藝春秋の営業部が毎月作成する「新刊のお知らせ」のコラムを1冊にまとめる予定でしたが、半藤さんから「本になっていない原稿がいろいろあるので、読んでみてくれないか」と、雑誌や新聞の切り抜き、自ら製作した小冊子などが次々と送られてきました。
    そこからいくつかのテーマごとにまとめたものが本書です。半藤さんは原稿のひとつひとつに細かく手を入れ、目次からタイトルまで、多くのアイデアをいただきました。
    編集部から「今回収録できなかったお原稿がたくさんあるので、第2弾、第3弾と出しましょう」とご提案したところ、「編集部がよいのであれば、お願いします」とご快諾くださいました。年が明け、「原稿のことはお任せします」と言付けをいただき、一週間もしないうちに訃報が届きました。書斎の机には本書のゲラが置かれていたそうです。

    文春新書編集長・前島篤志さんのコメント
    昭和史の語り部として知られる半藤さんですが、著者として、また社の大先輩として接すると、驚かされるのは、その“芸域”の広さでした。若き日には落語家に入門し、短歌を詠んでは「昭和万葉集」に収められ、版画をこしらえては仲間と展覧会を開き、日本舞踊では名取にもなる。しかし、それらは単なる趣味ではなかったかもしれません。その関心の広さ、面白そうなことには首を突っ込む姿勢こそ、半藤さんの人間観、歴史眼を豊かにしたものだったのではなかったか。半藤さんは一流の人物鑑定家でもありました。本書は、そんな半藤さんの、知を愉しみ、人生を味わう方法のエッセンスが詰まった一冊です。

    文藝春秋 2021年 03月号
    著者:
    発売日:2021年02月10日
    発行所:文藝春秋
    価格:1,000円(税込)
    JANコード:4910077010313
    半藤一利の昭和史
    発売日:2021年02月
    発行所:文藝春秋
    価格:1,650円(税込)
    ISBNコード:9784160070288
    歴史探偵忘れ残りの記
    著者:半藤一利
    発売日:2021年02月
    発行所:文藝春秋
    価格:935円(税込)
    ISBNコード:9784166612994




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