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江永泉さん、木澤佐登志さん、ひでシスさん、役所暁さんによる対談集『闇の自己啓発』が1月21日(木)に発売されました。
本書は、著者4人が「note」で連載していた“読書会”の内容を、大幅な加筆のうえ一冊にまとめたもの。読書会とは、あらかじめ決めた課題本について、参加者各自が感想や意見を述べながら議論していくイベントです。
課題本は、参加者の一人である木澤佐登志さんの著書『ダークウェブ・アンダーグラウンド』や、社会学者・稲葉振一郎さんの『銀河帝国は必要か?』など。しかしそこから「天気の子」「ジョーカー」といった映画の話題作や、ニトロプラスのPCゲーム「沙耶の唄」など、ジャンルの垣根を超えて議論が広がっていきます。
しかし、これらの話題がどうして「自己啓発」になるのでしょうか。
みなさんは「自己啓発」という言葉を聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?
多くの人は、より良い生き方や人生の成功を掴むための、新たな技能の獲得・自己実現の方法などをイメージするのではないでしょうか。特に、ビジネスにおける成功を目的にする内容を思い浮かべることだと思います。
著者の一人である役所さんによれば、そのような自己啓発は、社会や企業にとって有用な「人形」を作る思想だと示しています。「闇の自己啓発」で紹介しているのは、そうしたものに対する防衛術となる思想です。
役所「闇を認めるとは、己と相容れない者がこの世界に存在する余地を認めることだ」
(『闇の自己啓発』P.401より)
世界には目を背けたくなるような現実=闇が無数に存在しています。江永さんは、こうした不都合な現実と向き合うことで、既存の価値観から逃れ、いまを打破する思考を得られると考えています。
『闇の自己啓発』では、課題書から自分(社会)にとって都合の良いファクトだけを集めるのではなく、不都合な現実を暴きます。ダークウェブ上の闇取引、中国の監視アルゴリズム、宇宙進出と功利主義、マジョリティに都合の良いマイノリティ解釈など、普段気づかなかった(あるいは、気づいていないフリをしていた)闇が本書には示されています。
こうした闇と向き合い、時には逃げ出し、自己を変革する不断のプロセスを実行する。本書は、現実を新たな切り口で捉えなおし、自らの力で思考するきっかけとなる希望の一冊です。