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  • 夢眠書店開店日記 第11話:作家・装幀家ユニット「クラフト・エヴィング商會」の仕事③

    2016年05月07日
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    夢眠:でもそれは、内容が先にあって……ですよね?

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    (代わりに担当編集の岸本さんが答えてくださいました)

    岸本:普通はそうですね。束見本を先に作っちゃう人は、まずいない(笑)。

    夢眠:何ページ書くかって、決めてから書き始めるんですか?

    篤弘:『クラウド・コレクター』の場合は、まだ文章も書いていない、写真も撮っていない、ただ「こういう本を作りましょう」という時点でサイズもページ数も決めてしまいました。

    夢眠:私、以前本を作ったときに「予算はこれくらいだから何ページに収めてね」っていう枠を先に決められたんですけど、それをまだ真っ白の段階でなさったということですか?

    篤弘:この本はカラー写真をたくさん入れたかったので、カラーページとモノクロページが交互に現れる作りにしました。当然、カラーページに写真を入れて、モノクロページにはテキストを入れてゆくことになりますが、テキストの文字数をどのくらい入れたらいいか、仮のレイアウトを組んで、全ページ分先に決めたんです。そのうえで、「ここにはこういう写真が入る」と決めていって、最後の最後にテキストを書いたんです。この方法で作ることによって、ページをめくるとちょうど文章に見合った写真が出てくる、というようなことが可能になりました。先にテキストを書いてしまってから、同じことをやろうとしたら、大変なことになります。

    夢眠:写真のためにずらしたり、妙な空白を入れたり……。

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    篤弘:そうですね。そういうときはたいてい「テキストを削れ」ということになるんですが(笑)。最後にテキストを書くことによって、気持ちよく写真と合わせられました。

    浩美:でも、カラーとモノクロが必ず交互に出てくるという決まりごとに合わせてゆくのはかなり大変でしたよね。

    篤弘:尋常じゃなかったです。

    夢眠:私の頭の中では「文章ありき」で、文章ができて、物を作って、写真撮って、レイアウトしてっていう流れだったので、最後に文章を挿し込むってすごいなと思います。

    篤弘:「だいたいこんな話になる」というラフはあるんですが、実際のテキストは最後に書いたんです。たしかに普通とは逆の作り方ですね。ただ逆転して作れば、読んでいて気持ちのいいものができるということを経験的に知っていたので、それを試してみたんです。

    夢眠:私、その絶妙なところに、ストーン!とはまりました。

    篤弘:小学生で(笑)。それはやっぱり天才ですね。こういう、本のつくり方のエピソードは、一冊一冊それぞれにあるんですが、なかなかお話しする機会がないので、今度、そうした舞台裏を明かした本をつくろうと思っているんです。

    夢眠:読みたーい!! 私、『クラウド・コレクター』のあとがきを読んで、あのお話が「本当のことじゃなかった」って分かったときに、本当に1週間くらい衝撃が取れなかったんですよ。

    篤弘:……すみません(笑)。

    夢眠:違う違う、いいんです! ただ子どもだっただけなので!(笑) でも実は今、クラフト・エヴィング商會について「皆が気になっているけど答えは知らない」っていうところを聞いちゃってるんじゃないかって、変な罪悪感が発生していて……。

    篤弘:いや、手の内を明かしながらも、なお面白いということに挑戦したいんです。ノウハウとまではいきませんが、「こんなふうに僕たちは作ってきた」という本を、いずれ作りたいです。

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    ページの厚みや本の重さなど、手にしたときの感覚を大切にする……「紙の本で持っておきたい」と思う理由の一つは、ここにあるのかもしれませんね。さて次回は、「クラフト・エヴィング商會のお二人にとって“いい本屋さん”とは?」について伺いながら、夢眠書店をどんな本屋さんにするか考えていきます! お楽しみに。

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