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1.強く思い、実現を信じて前向きに努力を重ねていくこと。それが人生においても、また経営においても目標を達成させる唯一の方法であると言える。
2.懸命に働き、まじめに一生懸命仕事に打ち込むことによって、精神的な豊かさや人格的な深みを獲得することができるし、趣味や遊びからは得られない、心からわき上がるような喜びを味わうことができる。
3.己のためだけに利益を求めるのではなく、周囲や社会にもよかれと思うことを損してでもやるべきである。その利他の精神がめぐりめぐって自分にも利をもたらし、またその利を大きく広げもするからだ。
閉塞的な状況が社会を覆いつくしているのはなぜだろうか。
この問いに対して、電子機器などを手掛ける京セラの創業者であり、日本航空(JAL)再生にも貢献した著者の稲盛和夫氏は、多くの人が生きる意味や価値を見いだせず、人生の指針を見失っているからと考えている。仏門に入っている著者は、魂を磨いていくことがこの世を生きる意味と考え、本書にはそのためのメッセージが詰まっている。
著者は企業経営を学ぶ「盛和塾」の塾長を務めているが、本書は経営者としてのノウハウを記した書ではなく、どんな人にでも共通する道徳的観念について著者の意見を述べた本であると言えよう。もちろん、著者の精神的な高潔さは京セラ創業当初からあったというし、そのエピソードも数多く紹介されており、成功するための心の在り方という意味でビジネスにも活かせる内容となっている。
著者は「生き方」を時代の急流に打ち込む一本の杭にしたいと考えている。この本を通じて、読者は生きる喜びを見いだし、幸福に満ちた充実した人生を送るためのヒントを得ることができるのではないか。