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1.マインドフルネスで頭を「からっぽ」にすることによって、「今、ここ」を生きることができる。それは、集中による落ち着きと、自分自身の心についての深い理解をもたらしてくれる。そのためのレッスンが「10分間瞑想」である。
2.「10分間瞑想」を習慣化するには、場所を固定する、朝一番に取り組む、かならず10分で終わらせるなどといったことを心がけるとよい。
本書は、ビル・ゲイツが「マインドフルネスを試してみたい人には、パーフェクトな入門書だ」と激賞し、2018年のベスト本に挙げたことで世界的に注目を集めた一冊である。著者は、大学在学中に仏僧を志し、アジアをはじめさまざまな国で修行を重ねたのち、2010年より母国イギリスで臨床瞑想コンサルタントとして活動を続けている人物だ。
マインドフルネスについては、瞑想によって雑念を取り払い、思考を止めて無心の境地に至る、といったイメージを持っている人も多いかもしれない。だが、必ずしもマインドフルネス=瞑想ではないし、思考を止めることでもない。本書の定義によれば、マインドフルネスとは、気をそらさずに「今、ここ」に在ることを意味する。
この定義はいささか抽象的なものに感じられるかもしれないが、私たちは過去の記憶や未来の計画に押し流され、考えで頭はいっぱいで、いつも今という瞬間から気をそらしてはいないだろうか。そう考えると、「今、ここ」を生きるにはそれなりの訓練(レッスン)が必要だということもうなずけるだろう。
本書によると、その訓練の代表的なものが瞑想だ。そして、瞑想を通してマインドフルネスを体感できるようになれば、食事、散歩といった日常生活のなかでもそれを感じられるようになるという。さらには、喜びは喜びとして、悲しみは悲しみとして味わいながら、心の安定を失わない人生を手に入れることができる。ぜひ本書を通じて、マインドフルネスという、生きることの知恵に触れてみてほしい。