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“学年ビリの成績から慶應大学に合格する方法”と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。
カンニング?裏口入学?一芸入試?浪人して猛勉強?いやいや、そうではない。
ここに、学年ビリの成績から1年で偏差値を40上げて見事慶應大学に合格した女の子の話がある。
本書、ストーリーはタイトルそのまま、学年ビリだった金髪のギャル・小林さやかさんが1人の教師(本書の著者・坪田信貴氏)と出会い、1年の猛勉強のすえ慶應大学に合格した話。
(日販オープンネットワークWIN調べ)
もともとその内容から売れ行きはよかった本書だが、映画のプロモーションが盛り上がってくるとともに再び売上が大幅伸長している。と、ここで注目して欲しいのが同じタイミングで売上が上がっているこちらのグラフ。
(日販オープンネットワークWIN調べ)
これはなんと、『学習まんが少年少女日本の歴史』(小学館)の売上推移なのだ。
グラフをぱっと見ただけだとそこまでの伸び具合ではないように見えるが、そもそもこの種の「学習まんが」、ド定番で、小学校などの図書館に置いてありこそすれ、書店でそこまでバカ売れするような銘柄ではないのだ。
こちらも同様。
(日販オープンネットワークWIN調べ)
これは『14歳からの哲学』(トランスビュー)の月別に売上推移である。
さてこの2銘柄、“ビリギャル”と一体どんな関係があるのかというと、本書の著者で主人公・さかやちゃんの恩師である塾講師・坪田信貴が、本書の中で紹介しているのだ。つまり、「さやかちゃんの成績を上げるため」に坪田氏が学習材料としてさやかちゃんに提示した本たちなのである。『14歳からの哲学』(トランスビュー)は小論文用、『学習まんが少年少女日本の歴史』(小学館)は日本史用、といった具合だ。
「大学受験の勉強に学習まんが???」と思ったそこのあなた。一体どういった活用法だったのかは是非本書を読んでほしいのだが、坪田氏は、心理学を用いながら実にユニークな指導と的確な戦略でさやかちゃんを導いているのだ。もちろん本書では、この2銘柄だけではなく、様々な参考書を駆使して受験を乗り越えていく様子が描かれている。思わず本書とセットで、これらの本も手に取ってみたくなってしまうのである。さやかちゃんの猛勉強と家族の支えがベースにあるのは間違いない。しかし、坪田氏の指導がなければさやかちゃんの合格もなかっただろう。こんな指導方法なら、もう一度受験勉強をやるのも悪くないと思ってしまう。
また、本書はただの受験対策本、子育て本ではなく、「人と真摯に向き合うことはどういうことか」が書かれている。自分の子ども、教え子、会社の部下や後輩… 人間関係に悩む人には是非一度読んでほしい。私もがんばってみよう!そう思える一冊である。