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1.多くの問題は自分の行動を変えることで問題の解決につながるが、実際に行動を変えるのは難しい。無理やり行動を変えさせるのではなく、つい行動を変えたくなるように仕向ける「仕掛け」が有効である。
2.仕掛けには3つの定義がある。誰も不利益を被らない「公平性」、行動を強要せず、仕掛けが行動の選択肢を増やす「誘因性」、仕掛ける目的と、行動する目的が異なる「目的の二重性」である。
3.「仕掛け」は大きく物理的トリガと心理的トリガに分類される。物理的トリガは物理的な特徴、心理的トリガは人の内面に生じる心理的な働きを表す。
面倒臭いことが原因でしてしまう「ちょっとした行動」は、大勢の人が同じことをすることで大きな問題につながる。ゴミの不法投棄や、公衆トイレの汚れはその一例だろう。このような問題は、張り紙を貼って注意を促してもほとんど解決しない。しかし、思わずしたくなるような「仕掛け」をして行動を促すことで、簡単に解決することができる。この「仕掛け」を学問として研究しているのが、著者の松村真宏氏だ。かつて人工知能の研究をしていた著者は、日常に潜む問題を解決するための「仕掛け」を考えることに魅了された。現在、彼は大学で「シカケラボ」というゼミを作り、学生たちと仕掛けについて研究を行っている。
「仕掛け」を考えることは難しそうに見える。しかし、自分が思わず引き込まれてしまうものが仕掛けなので、引き込まれる理由を考えればそれほど難しくはないと著者は言う。仕掛けには構成要素があり、大きくは「物理的トリガ」と「心理的トリガ」に二分される。この二つが結びついたときに、良い仕掛けが生まれるという。構成要素はこの二つからまた細かく分類されており、著者は今まで収集してきた仕掛けを例に挙げて、分類に当てはめながら解説している。
仕掛けを施すことで問題が解決する。それに加えて、自分も楽しんで行動することができる。仕掛けは一石二鳥をもたらしてくれる、面白いアプローチ方法なのである。
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