• fluct

  • 発売1年で19刷35万部!数ある“話し方”の本、『人は話し方が9割』は何が違う?

    2020年09月30日
    知る・学ぶ
    ほんのひきだし編集部「日販通信」担当
    Pocket

    「話し方」の本は数あれど、昨年9月の発売以来、長らくベストセラーの常連となっている『人は話し方が9割』。著者は、経営や講演、人材育成など幅広い事業を手掛ける永松茂久さんです。「話す力はスキルよりメンタル」をテーマに、話すことへの苦手意識をなくすちょっとしたコツを紹介しています。

    ビジネスのみならず、さまざまなシーンに応用できるコミュニケーション術が書かれた本書には、幅広い年齢層から反応が寄せられているそう。そんな本書の読みどころについて、著者の永松さんと、すばる舎の編集担当である上江洲安成さん、営業担当の原口大輔さんにお話を伺いました。

    人は話し方が9割
    著者:永松茂久
    発売日:2019年09月
    発行所:すばる舎
    価格:1,540円(税込)
    ISBNコード:9784799108420

     

    今回取材にご協力いただいた方

    (写真中央)著者 永松茂久さん
    (写真左)すばる舎 営業部 原口大輔さん
    (写真右)すばる舎 編集部 編集長 上江洲(うえず)安成さん

     

    話し方はスキルよりメンタルが大事

    ――『人は話し方が9割』は、原口さんの発案から生まれた本だそうですね。

    原口 永松さんとは以前勤めていた出版社でお付き合いが始まって、その頃から話し方の本をぜひ書いていただきたいと熱望していました。

    私自身、人と話すときに緊張してしまうことが多いのですが、永松さんはいろいろな方とすぐ仲良くなってしまう。それは「話し方」の魅力によるところも大きいと思いました。それに、永松さんは講演での話し方や間の使い方も素晴らしいんです。

    永松 この本を書くにあたってリサーチを始めてみると、初対面や職場の中という日常会話の場面で困っている人が、かなり多いということを発見しました。幸いなことに私はこれまであまり苦労したことがなく、昔から人に「何でそんなにうまく話せるのか」と聞かれていて。今回は、その質問に対する答えを書くつもりでチャレンジさせていただきました。

    ただ、ノウハウ的なことを書いていくうちに、話し方のスキルは簡単にクリアできるようなものではないと気がつきました。そんなとき、上江洲さんに「一番伝えたいことは何ですか」と聞かれて、ぽろっと出たのが「話し方はスキルよりメンタル」という言葉でした。

    慣れた人とは誰でも自然に話ができるけれど、相手が知らない人になった途端に難しくなるということは、メンタルの問題が大きい。そこで、まずは「話すことに対するメンタルのあり方を整える本」にすることにしました。

    ――「苦手な人に、自分から話しかけるのはやめなさい」など、これまでの話し方の本とは一線を画す内容です。

    永松 それはすごく言われますね。話し方の本なのに、第1章で「聞き方が9割」と言っていますし(笑)。

    ただ、会話において「いかに聞くのか」はとても大事。そこで本書では、「感嘆」「反復」「共感」「称賛」「質問」という5つのサイクルを繰り返すことで会話を広げていく、「拡張話法」という方法を紹介しています。

    「話し上手」と言われる人たちは、自分が上手く話すというよりも、相手に話させながら会話を広げていく。実際に周りの人たちにこの方法を試してもらうと、みなさん「会話が盛り上がる」と喜んでくれます。

    (本書p.71より)

    ――拡張話法という言葉は初めて聞きました。

    永松 私も昔からあるやり方のように書いていますけれど、「拡張話法」という言い方をしたのは実はこの本が初めてです(笑)。

    上江洲 本書では、これまで永松さんが無意識に実行されていたことを言語化していただきました。また、永松さんが社員との会話に悩んでこられた経験談なども書かれているので、部下との会話がうまくいかないという人にも刺さる内容になっていると思います。

     

    コミュニケーションを円滑にする3つの大原則

    ――もうひとつ、話し方のみならずコミュニケーションの基礎として紹介されている「3大原則」も、反響が大きいそうですね。

    永松 人は自分に一番興味があり、自分のことを認めてほしいと思う生き物です。だからこそ自分に関心を寄せてくれる人を好きになります。

    この3大原則については、私が経営コンサルタントとしてお付き合いのある経営者の方々から、「あの3つは話し方だけでなく、多くのことに通用する考え方」「社長室に対人関係3つの心得として貼っている」と言っていただいています。

    いかに話すかよりも、まずはどのように相手と向き合っていくのかを考える。そして、自分の話を本当に聞いてくれる人、自分が心地よく過ごせる人との時間を意識して増やした方が、会話のレベルは上がっていきます。そして私は、何より相手が幸せでありますようにと思って話すことが最高の話し方であると思っています。

    そもそも人間関係はコミュニケーションによって成り立つもの。その中で大きな役割を担う会話が苦しいものだったら、つらいですよね。この本を読んだ方が話し方って自分が思っていたより簡単、そして楽しいものなのだと思ってくれたらうれしいです。

    (本書p.43より)

    上江洲 永松さんがこれまでの著書を通じて発信されてきたメッセージが「for you」、目の前にいる人を幸せにするということなので、本書もそのメッセージが根底に流れる本になったと思っています。

    それに加えて、いままでの会話の本と大きく違うのは「相手だけでなく、自分も大事に」と書かれているところです。

    「相手の話を聞かなきゃ」とネガティブな会話を我慢したり、高圧的な物言いに傷ついてしまったりする人は多いと思います。そこをテクニックで解決するのではなく、相手だけでなく自分も肯定する「否定のない空間」を作る大切さが書かれています。

    「自己肯定感」はいま書店でも注目のテーマなので、その点も読者のニーズに応えているのではないでしょうか。

     

    作り手と売り手が一緒になった“新しい出版のスタイル”で制作

    ――現在19刷35万部と多くの方に読まれている本書ですが、おもな読者層は?

    上江洲 当初は30~40代の男女をメインターゲットとして考えていましたが、ふたを開けてみると下は11歳、上は89歳の方から読者ハガキが届いています。「中学受験のグループディスカッションで役に立ちました」といった声もありました。

    永松 企画会議をやっていると、あれやこれや項目が出てきて、最終的にはこの本の内容の3~4倍くらいになりました。そこで、ビジネス書としての企画ではありますが、あえて職場でのやり取りは一旦外して、たくさんの人たちが読めるパーソナルコミュニケーションにテーマを絞りました。

    そして、私のライティングコンセプトとして、読みやすさをもっとも重視しようと決めています。おじいちゃん、おばあちゃんからお孫さんまで、家にあったらみんなが読めるような本にしたいと思っています。

    ――本書について、「営業の方と企画から一緒に組み立てた新しい出版のスタイル」とあとがきで書かれていますね。

    永松 私は、20年ほど前に出版社で営業をしていました。その時に思ったのですが、意外とこの業界は編集は編集、営業は営業と仕事が切り分けられてしまっています。

    私は九州で飲食の会社を経営しているのですが、作り手が厨房だったとしたら、売りに行くのはホールスタッフです。厨房とホールの掛け合わせで店が回っているのに、商品開発をする場に売り手がいないのはありえません。「この価格はちょっと高いかも」「見せ方に工夫が必要」というディスカッションは当たり前です。

    そこで、本を出す際にも出版社に同じようにしてほしいとお願いしています。今回は原口さんと上江洲さん、そしてもう一人、私のことをよく知るOCHI企画の越智秀樹さんに入ってもらい、4人で進めてきました。原口さんからは店頭をよく知る人ならではの意見をいただき、こういう制作のスタイルがこれからのスタンダードになっていけばいいなと思っています。

    上江洲 書店さんの現場を一番見ているのが営業マンであり、特に日本の場合は店頭が本を読者のもとへ届ける出発点です。一人でも多くの読者に本を手に取ってもらうには、営業の意見も欠かせないですね。

    原口 徐々に企画の段階から、営業も意見や提案をする機会が増えてきました。営業としてはいくら中身が良くても読者の方に手に取ってもらわないと始まらないので、前向きな意見を出し合うことで、より精度を上げていきたいなという気持ちがあります。

    永松 今回この本を通してものすごく勉強になったのが、書店さんも含めた作り手、売り手が本気になったときの力です。

    私は出版業界が大好きなので、本書が「本っておもしろいな」というムーブメントになるような本になってくれたらいいなと思っています。個人的な目標としては、これからは著者としてだけでなく、出版社や書店さんを元気にしていくような企画を本格化させていきたい。

    著者としてのあり方を伝えることや、地方にいる「コンテンツを作れる人」を埋もれさせないようにするなど、「出したい人より出すべき人を発掘する」というプロデュース面にも力を注いでいきたいと考えています。

    本は最高のメディアだと思うので、これまでの実業の経験を生かして、出版業界を元気にするような提案をしていければと思っています。

     

    あわせて読みたい

    「人前で頭が真っ白」のトラウマから脱出!人と話すことが楽になる3つのコツ【総合3.7】



    タグ
    Pocket

  • GoogleAd:SP記事下

  • GoogleAd:007

  • ページの先頭に戻る