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1.固定化された「認識」と「関係性」は「変わりたくても変われない」という状態を生み出す。それらを揺さぶるのは、人の思考と感情を刺激し、対話を生み出す「問い」である。
2.「問いのデザイン」は、解くべき課題を定める「課題のデザイン」と対話を促進する「プロセスのデザイン」から成る。
3.ワークショップとは、「普段と異なる視点から発想する、対話による学びと創造の技法」である。
4.ワークショップにおける問いのデザインとは、何かに気づいたり、集団が変化したり、新たなアイデアを創発したりするプロセスのデザインだ。
「社員たちに、組織の課題を自分ごとで考えてもらうにはどうすればいいか」。こうした悩みに直面している経営者やマネージャー層は多いだろう。悩みの中身を紐解いていくと、人間の「認識」と「関係性」が固定化しているという、現代社会に共通した病にぶつかる。認識が固定化されると、物事の深い理解や創造的な発想の妨げとなる。そして、関係性が固定化されれば、お互いの認識や前提のズレが修正しにくくなってしまう。こうして、「変わりたくても変われない」という問題を生み出してしまうのだ。
この状況を打破するカギは何なのか? そこに「問いのデザイン」という新たな武器を与えてくれるのが本書だ。私たちに求められているのは、課題に対する「答え」を急いで出すことではない。それよりも、問題の本質を捉え、現状を打破する「問い」をデザインし、それをワークショップで当事者と共有することが重要となる。
問いのデザインはこれまで、体系立てた理論をつくるのが困難とされてきた。しかし著者らは、数々のワークショップの経験から、狭義のファシリテーションの技術論にとどまらない、本質的な問いの立て方と創造的対話の促進に向けた多くの思想とノウハウを提示している。読み進めるにつれ、メンバーを本気にさせ、チームの成果を引き出す「問い」や「対話」の本質を理解できるようになるだろう。
本書は、斬新な発想で大きな問題に切り込んでいきたいと考えるビジネスパーソンにとって、貴重な道標となる一冊だ。