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1.幼少期から他人の評価を受け続けて育った私たちは、人からの評価を気にしがちである。それを認識し、人からどう思われるかを気にしない、自分流のやり方で幸せになれる目標に向かっていこう。
2.あなた自身のやりたいことに取り組んでいれば、「我慢してまで叶えたい目標か」と考えることで嫌なことにノーと言いやすくなる。目標を理由に気乗りのしない誘いを断ることもできる。
3.ときには依存してくる人と一線を引いたり、関わりたくない人と縁を切ったりすることも必要である。大切なのはあなたの今やこれからだ。
現役の住職が「いい人をやめよ」と伝えてくれるのは、なんとも痛快ではないだろうか。「いい人をやめる」という発想自体は新しいものではないが、「いい人たれ」と倫理を説く宗教家からそれが発信されているのが本書の面白いところだ。
著者の名取芳彦氏は密蔵院の住職であり、真言宗豊山派布教研究所研究員をしながら、仏教に関わるさまざまな活動に携わっている。そんな著者は仏教的な視点から、「みんなに好かれなくてもいい」「誘いを断ってもいい」「縁を切ってもいい」と教えてくれる。いい人をやめるといっても、自分勝手にわがまま放題ふるまえといった極端なことではない。嫌なことにはノーと言ったり、依存してくる人に対して一線を引いたりと、その内容はまっとうなことであるからこそ受け入れやすい。実行すれば確実に自分の生活が前向きになるだろうと思えるものばかりだ。
本書からにじみ出る著者の人柄は、「いい人」をやめていてもなお、いい人そうなのである。著者がやめた「いい人」とは、誰にとっても当たり障りのない「いい人」ということなのだろう。そう考えてみると、私たちは普段、好かれたいと思ってもいない相手、縁を切りたいと思っている相手にですら、「いい顔」をするべきだと考えて、疲弊していないだろうか。本書を読みながら、自分が誰にとっていい人でありたいか、考えてみてはいかがだろうか。