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古今東西の名著を1冊100分(25分×4回)で読み解く、NHK Eテレの人気教養番組「100分de名著」。
2011年にスタートした同番組およびNHKテキストが、7月22日(水)発売のミヒャエル・エンデ『モモ』をもって、めでたく解説100作品を突破しました(※)。
※アンコール放送を除く。スペシャル回では4作品を扱いますが、ここでは1作品としてカウントしています。
少女モモは、人びとの話に耳を傾けるだけで、彼らに自信を取り戻させる不思議な力の持ち主。そこに、街の皆から時間を奪い取る「灰色の男たち」が現れて……。時間の価値とは? 豊かな生とは? そして死とは? 京都大学教授で臨床心理学者の河合俊雄さんが、児童文学の記念碑的傑作が持つ真価を、せわしない日常を生きる大人むけに案内します。
これを記念して7月下旬より、全国約500店舗の書店では「100分de名著 100作品記念フェア」が順次スタート。これまで品切れになっていたタイトルも、フェア限定で増刷されます。
今回の記事では、これまでのテキストで特に反響の大きかったもの、それについての同誌編集部からのコメントを紹介します。
テキストで理解を深めたら、ぜひ原著にもチャレンジしてみてくださいね!
当時の番組進行役だった島津有里子さん(元NHKアナウンサー)は本書を読み、「自分の内面と向き合い、幼い頃からの思いを叶えるべきではないか」と、医師を目指すためにNHKを退局したというほど、ある種の浸透力を持つ一冊です。ひとが生きることの意味を読者の内面に向かって静かに訴える名著を、若松英輔さんが神谷美恵子の生涯とともに紹介します。
独裁や全体主義を否定し、民主主義を確立するために必要な「真の保守主義」の在り方を説いたオルテガ。その主張は、迷走する日本の政治の問題点を浮き彫りにするほどの普遍性を持ちます。気鋭の政治学者・中島岳志さんが、「保守」のあるべき姿を詳述します。
新型コロナウイルスに襲われた世界の惨状を予見したかのような、ノーベル文学賞作家によるフランス文学の金字塔。その難解な表現や精緻なプロット、作品の背後にあるカミュの思いを、仏文学の翻訳や多彩な評論で知られる中条省平さんがカミュの半生をまじえて解説します。
私たちを覆う常識の自明性を疑い、自身の尊厳を取り戻すための方策が綴られた本書は、「100分de名著」テキストの中で最も多くの方にご購読いただきまました。ベストセラー『嫌われる勇気』の共著者・岸見一郎さんが、現代社会の軋轢や人間関係に悩む人たちに向けて、アドラーが本書で提唱する「個人心理学」の要諦を語ります。現在も、『100分de名著ブックス』版でお読みいただけます。
編集部には、テキストをご購読いただいた方から毎月数多くのアンケートはがきが寄せられますが、女性からのものが特に多かったのが本作でした。これまで「動と静」「悪女と淑女」といったイメージで読まれてきたスカーレットとメラニー。そのメラニーに新たな光を当て、「暗く意地悪な」一面を見出したのが、本書の新訳を手がけた鴻巣友季子さん。現地アメリカで膨大な資料に目を通し、ミッチェルの創作の意図までをも読み解いた解説は、繊細かつ濃密。
100作品目にあたる『モモ』で解説をして頂く河合俊雄さんは、日本を代表する臨床心理学者・河合隼雄さん(故人)のご子息。隼雄さん同様、ユング派の臨床心理学者として活躍されています。その俊雄さんによる4作品(『ユング心理学入門』『昔話と日本人の心』『神話と日本人の心』『ユング心理学と仏教』)の読み解きは、日本人のこころの深層に迫り、その病の治癒に力を尽くした一人の心理学者による、あくなき探求の実相を見せてくれます。