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この本は、「直訳」「正しい意味」「語源」「例文」「イラスト」の5点セットで書かれているので、とてもわかりやすいのですが、私が思わず噴いてしまったのは「as happy as a clam」。
出ました!! as。as~asに限らず、asは使いこなしたい単語の1つです。
直訳すると「ハマグリのように幸せな」。
ハマグリのことを幸せだと思ったことが一度もないので、はぁ!? です。
もし友人から、Your boyfriend looks as happy as a clam. と言われたら、「あなたのボーイフレンドってハマグリみたいにオメデタイ人ね」と歪曲して解釈し、なんだとコラ!!となっていたと思います。
または、英語で言い返せなくて、悔し涙を流していたことでしょう。
ではなぜハマグリなのかというと、泥の中のハマグリは外敵から身を守る必要がなく、平穏に暮らせるからだそうです。
ただの暗記ではなかなか頭に定着しませんが、こうした語源が書いてあることによって覚えやすくなっています。
もう1つ、こんなのもありました。
下手に「キューカンバー」が「キュウリ」だと知っていると、逆に厄介だったりします。この単語が耳に残るので。
私の場合、真っ先に頭に浮かんだのは、お祭りで見かける割り箸に刺さった冷やしキュウリでした。
だからもし友人に、Your boyfriend is as cool as a cucumber. と言われたら、「あなたのボーイフレンドはキュウリみたいに冷たいね」と解釈し、顔が引きつっていたと思います。
あるいは、cool=カッコいいという意味でもよく使われるので、「キュウリみたいにカッコいいね」って皮肉か!! と深読みしたと思います。
「as cool as a cucumber」の「直訳」は、「キュウリのように爽やかな」です。
しかし実際に使われる時は、「非常に冷静な」「落ち着き払って」という意味になります。
うーん、知らないって怖い!!
こんなふうに、自分で例文を作って妄想して遊んだり、その延長で色々と調べていたら楽しくて楽しくて、なかなかページが進みません。
もう1つ、発見もありました。「bite the dust」どこかで聞いたことがあるな~と思ったら、クイーンの「Another One Bites the Dust」(邦題:「地獄に道づれ」)に使われているじゃありませんか。
直訳すると「ほこりを噛む」ですが、正しくは「(戦争で)死ぬ」「(試合で)完敗する」という、もっと深い意味があります。
今まではただ聞き流していたこの曲も、改めて歌詞を確認してしまいました。
正直、私は受験生ではないし、仕事で英語を使う機会もないので、これらを必死に覚える必要はありません。
でも、知っているのと知らないのとでは、大違いだと思いました。
できればどこかで使ってみたい。
もし、使うタイミングがなかったとしても、本当にあなた達は「as happy as a clam」や「as cool as a cucumber」を日常で使うの? と隣り合わせた外国人に聞いてみるのもいいかも! と思っています。
そうしたらきっと「なんで君はネイティブが使う英語を知ってるの?」となり、さらに話が弾むのではないかと。私の妄想は、まだまだ続きそうです。
*
(レビュアー:黒田順子)
※本記事は、講談社BOOK倶楽部に2020年7月3日に掲載されたものです。
※この記事の内容は掲載当時のものです。
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