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1.強いストレスの有無だけでは、死亡リスクに影響はない。だがストレスを受け、さらに「ストレスは健康に悪い」と考えていると、死亡リスクが高まる。
2.ストレス反応には、よく知られている「闘争・逃走反応」の他にも、「チャレンジ反応」「思いやり・絆反応」がある。
3.一般に信じられていることとは異なり、ストレスホルモンの分泌量が多い方が、パフォーマンスは上がる。また、ストレスの効果に自覚的な方が、ストレスの効果を利用しやすい。
本書は「ストレス」の正しい捉え方、付き合い方について書かれたものだ。なかには従来の考えとは異なる内容も含まれており、にわかには受け入れがたい部分もあるかもしれない。だがさまざまな科学的調査や実験データに裏付けられており、説得力が感じられる。
本書はPart1とPart2に分かれている。「ストレスを見直す」と題されたPart1では、「マインドセット(考え方)が体に影響を与える」という研究の紹介から始まる。その後、ストレスを感じたときの反応の種類、ストレス研究の歴史などが紹介される。興味深いことに、ストレス源と生きがいは重なることが多い。実際、ストレスが多い人のほうが、より人生に充実感を覚えているという調査結果もある。
続く「ストレスを力に変える」と題されたPart2では、ストレスを味方につけるためのマインドセットが語られる。強いストレスを感じた際、どのようにしてストレスをパフォーマンス向上に役立てるか、バーンアウト(燃え尽き)しないように働くにはどう目標設定すればいいのか、逆境を克服するにはどうしたらよいかなど、実験データや調査結果、具体事例などとともに明かされるのがポイントだ。
さらにストレスに強くなるための「エクササイズ」が、本書ではいくつも紹介されている。「読んで終わり」ではなく、具体的に実践できるわけだ。しかも一度これらのエクササイズをやるだけで、一生ストレスを味方につけることができるという。これはやってみるしかないだろう。