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1. 交渉に勝つための原則は「利益を与える/譲歩する」「合法的な脅しを使う」「お願いする」の3つだ。
2.交渉が始まる前に、自分や相手の要望を整理して優先順位をつけ、譲歩できる内容を用意しておく。譲歩のカードを1枚ずつ切ることで、交渉は進む。
3.交渉が膠着しそうになったら、互いの要望を要素に分解すると、一致点を見つけやすい。
4.アメリカのトランプ氏と北朝鮮の金正恩氏は交渉の名手である。彼らの実践的ケンカ交渉術から学べることは多い。
著者はかつて大阪府知事や大阪市長、「維新の会」代表を務めた橋下徹氏。若くして大阪という巨大組織をまとめ上げ、前人未到の改革を断行したことで知られる。そんな著者が数々の修羅場をくぐるなかで体得した「橋下流交渉術」を、あますところなく伝えているのが本書だ。
著者によれば、交渉の原則は「利益を与える/譲歩する」「合法的な脅しを使う」「お願いする」の3つしかない。実践にあたっては、自分や相手の要望を整理して優先順位をつけ、譲歩できる内容を用意するのが肝となる。また、交渉に価値観や思想・信条を持ち込まないこと、交渉決裂後にどうするかを考えておくことも重要だという。
交渉は、相手との闘いではなく自分との闘いだ。どれだけ自分の要望を整理できるか。絶対に獲得しなければならない目標のために、いかに他の要望を捨てる決断ができるか。相手の要望を推測しながらしっかり整理できるか。こうした自分との闘いに勝った者だけが交渉で成功を手にできるという主張には、著者ならではの説得力がある。
府知事、市長時代の体験談のほか、アメリカのドナルド・トランプ氏や北朝鮮の金正恩氏の外交術など、数々の事例を用いた解説は具体的でわかりやすい。なるほど!と膝を打つ箇所も随所にある。ビジネスの場ではもちろんのこと、日常のさまざまな場面で役に立つ実用書であると同時に、橋下氏の政治手腕の一端が伺い知れる内容となっている。