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  • 業績、社会貢献度、やりがい……『日本でいちばん大切にしたい会社』を考える

    2020年04月16日
    知る・学ぶ
    日販 ほんのひきだし編集部 吉田
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    日本にある企業の内、99%が中小企業と言われています。数多くある中小企業の中で、「人を幸せにする経営」をしている会社を紹介するシリーズ『日本でいちばん大切にしたい会社』のシリーズ7冊目が発売されました。

    著者は、経営学者で「人を大切にする経営学会」会長の坂本光司さん。各企業が苦難を乗り越えたときの胸が熱くなるエピソードや、企業の在り方・働き方が収録されており、累計は70万部を超える人気作です。

    本書には、7社のエピソードが収録されていますが、その内の1社についてご紹介します。

    日本でいちばん大切にしたい会社 7
    著者:坂本光司
    発売日:2020年04月
    発行所:あさ出版
    価格:1,540円(税込)
    ISBNコード:9784866671949

     

    「組合員が一番欲しいものは?」組合員第一主義の「コープみやざき」

    生活協同組合(以下、生協)とは、地域貢献や安心安全な生活を実現するために消費者一人ひとりがお金を出し合う「組合員」となり、共同で運営・利用する組織です。

    その中でも、特に加入率が高い生協が宮崎県宮崎市にある「コープみやざき」です。全国の世帯加入率が38.1%(2018年時点)に対して、「コープみやざき」の組合員は25万3,450人を数え、加入率は県内の世帯数の約53.3%です。(2019年3月時点)

    こうした地域の人から愛される組織作りや、職員の働き方、充実した福利厚生を評価され、第9回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」の経済産業大臣賞を受賞しました。

    1つの生協がこれだけ注目される組織になれたのは、お客様(組合員)を第一に行動し続ける企業精神があったからです。

     

    「パジャマの下だけ」「たこ焼き1個」ニーズがあれば用意する究極のサービス

    1988年にコープみやざきは、事業の仕組みを見直した際に大きな失敗をして赤字を計上したことにより、改めて「生協は誰のために何をするところか」という議論が行なわれました。

    その結果、「組合員の声を第一に考える組織」へと立ち返ることになったそうです。

    組合員の声をくみ取るべく「わが家の声カード」や商品の感想を伝える「使ってみたカード」を設置。年間8万件の要望すべてに職員が目を通し、各現場・取引先へとフィードバックしました。

    また、組合員からの要望があれば、普通の店ではありえないようなサービスが日常的に行なわれます。

    たとえば、セットになったパジャマをバラし、下だけを半額にして売ることもあったそうです。

    「そんなことをしたら、上だけ残って、売り物にならないじゃないですか」と驚いて私が尋ねると、「でも組合員さんがほしいという商品がそこにあるのに、売らないというのもおかしな話なので」という答えが返ってきました。

    「残ったパジャマの上をどうしようと考えてしまったら、大事な一歩が踏み出せません。どうするかは後で考えればいい。その瞬間は、その組合員さんのことだけを考えて行動すればいいと考えているんです」

    (『日本でいちばん大切にしたい会社(7)』238ページより)

    お客様(組合員)に喜んでもらえる行動を取ることで、信頼され、より愛される好循環が生まれていきます。

     

    『日本でいちばん大切にしたい会社』とは

    テクノロジーが進歩し、「働き方」が変わっても、仕事の基本は「人と人」のやり取りです。

    坂本さんの考える「日本でいちばん大切にしたい会社」とは、①従業員とその家族、②外注先・仕入先、③顧客、④地域社会、⑤株主の5者が幸せになるような会社です。

    「働き方改革」が話題になる今、会社の在り方を考え直すきっかけになる本シリーズを手に取ってみてください。

    日本でいちばん大切にしたい会社 7
    著者:坂本光司
    発売日:2020年04月
    発行所:あさ出版
    価格:1,540円(税込)
    ISBNコード:9784866671949

     

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