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タレントの越前屋俵太さんと京都大学教授・酒井敏さんによって発足された「京大変人講座」は、京都大学に流れる「自由の学風」や「変人のDNA」を広く知ってもらうために一般公開もされている行列必至の講座です。
この講座を書籍化したシリーズの2冊目『もっと! 京大変人講座』が発売されました。
東京大学とならぶ日本の最高学府の1つ「京都大学」。iPS細胞を発見したことで知られる山中伸弥教授のように、世界的にも注目される研究者たちが多くいる大学です。
一方で、一部京大生の行動や、森見登美彦さんの『四畳半神話大系』など京大を舞台にした小説・漫画のイメージから、「京大は変」というイメージを持たれることもあります。
本書に収録されている講座名からも、その「変」の片鱗が垣間見えます。
・アリ社会の仁義なき掟(熱帯生態学 市岡孝朗教授)
・曖昧という真実(科学哲学 伊勢田哲治准教授)
・アートはサイエンスだ!(アート&テクノロジー学 土佐尚子教授)
・そうだ! 宇宙に行こう!(宇宙物理学 嶺重慎教授)
・「できない」から「できる」んだ(SUKIる学 富田直秀教授)
市岡教授のアリの“掟”って? 富田教授の「SUKIる学」ってなんだ……? と知的好奇心がくすぐられる一方で、「やっぱり京大は変わっている」という感想を持つ人も多いのではないでしょうか。
教授陣の話を聞いてみると、驚いたことに、本人たちは「変わっている」という自覚は無く、周りから見たり、言われたりしてはじめて「変わっている」と認識することが多いそう。
特に印象的なのは、昆虫を愛し、アリを研究する熱帯生態学の専門家・市岡教授の
「『研究で社会の役に立とう』という気持ちが、ほぼゼロなんです」
という言葉。本書の「変人」たちは、世の中の役に立つことよりも、自分が「好きなこと」を第一に行動しているように見えます。一見すると「変わっている」と思うかもしれませんが、そういった生き方もアリだ、と生きる選択肢を広げてくれるような感覚を覚えます。
本書には、越前屋俵太さんと酒井敏教授、登壇者の伊勢田哲治准教授による「京大における『変人』とは?」という特別鼎談が収録されています。
「変人」が生み出される京大の歴史や、世の中とは少しズレたものを経験する各々のエピソードだけでなく、失われつつある京大の文化についての提言など、京大関係者でなくても面白い読みごたえのある内容になっています。
読んでいると京都大学に行きたくなる? 第1弾『京大変人講座』もあわせてご覧になってください。