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1. 1日100食限定にし、それ以上の売上を諦めれば、従業員もお客様も満足できる経営が実現できる。
2.100食限定だからこそ、早く帰って、その後の時間を自由に過ごせる。これが最高のインセンティブとなる。
3.「誰がやってもできる仕事」にこだわることで、マイノリティ人材も活躍でき、従業員、お客様両方のダイバーシティが実現した。
4.1日100食という目標以外すべての数字を捨てたことで、業績至上主義から解放された。
『売上を、減らそう。』、なんと衝撃的なタイトルだろう。どの企業も売上を伸ばし、業績を上げるために必死だというのに、どういうことだろうか。
著者は京都の小さな定食屋「佰食屋」を経営している。売上を追うことをやめ、「1日100食限定」を掲げることで、「社員の働きやすさ」と「会社の利益」の両方を実現している。本書は、そんな画期的な佰食屋の経営手法を余すことなく解説した一冊で、読者が選ぶビジネス書グランプリ2020 イノベーション部門賞を受賞した作品だ。「年収は百貨店と同水準」「18時には全従業員が帰宅」「賞与は年3回」「有給休暇は100%取得」。飲食業界の常識を覆すような言葉が並ぶ。これらはすべて、1日100食限定と決めたことによる効果だという。
「社員を犠牲にしてまで追うべき数字なんてない」。著者のこうした信念のもとに、従業員全員が働きやすく、持続可能な「奇跡のビジネスモデル」が誕生した。結果、佰食屋では、いろいろな背景をもつ人が生き生きと働いており、ダイバーシティが実現されている。働き方改革が叫ばれて久しいが、労働力人口の減少の進展とともに、業績至上主義は限界を迎えつつある。私たちは「豊かさ」について真剣に問い直し、新たな働き方や経営の道を模索すべきではないだろうか。本書はそのための大事な視点を与えてくれる。
佰食屋のような超ホワイト企業が、どのように生まれ、維持されているのか。そこには、絵空事ではない、「経営と働き方のイノベーション」があった。日々追われる「数字」をいったん忘れて、ぜひとも本書をお読みいただきたい。