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2月18日(火)、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」の総合グランプリと各部門賞が発表されました。
「読者が選ぶビジネス書グランプリ」は“今読むべきビジネス書”を一般読者が投票して選ぶ企画で、今年で第5回目を迎えました。「イノベーション」「マネジメント」「政治・経済」「自己啓発」「リベラルアーツ」「ビジネス実務」の6部門について、ノミネートされた約100冊から総合グランプリと各部門賞が選ばれています。
ちなみに前回の総合グランプリは、『the four GAFA』。さて、今年はどんな本が選ばれたのでしょうか?
総合グランプリ、ならびに政治・経済部門賞を獲得したのは『FACTFULNESS』。2019年1月に発売され、年間ベストセラー総合第9位(日販調べ)にランクインした「2019年を代表する一冊」の一つです。
副題に「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」とあるように、物事をドラマチックに見ようとしがちな“思考のクセ”や“思い込み”を自覚しよう(自覚したとき、世界は思ったほど悪くない、着実によくなっているといえる面もある)という趣旨の本となっています。
あらすじ
本書では世界の基本的な事実にまつわる13問のクイズを紹介している。たとえば、こんな質問だ。
質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%質問 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%答えは本書にある。どの質問も、大半の人は正解率が3分の1以下で、ランダムに答えるチンパンジーよりも正解できない。しかも、専門家、学歴が高い人、社会的な地位がある人ほど正解率が低い。
その理由は、10の本能が引き起こす思い込みにとらわれてしまっているからだ。
【目次】
イントロダクション
第1章 分断本能 「世界は分断されている」という思い込み
第2章 ネガティブ本能 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み
第3章 直線本能 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み
第4章 恐怖本能 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み
第5章 過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み
第6章 パターン化本能 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み
第7章 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
第8章 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
第9章 犯人捜し本能 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み
第10章 焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
第11章 ファクトフルネスを実践しよう
おわりに(日経BPブックナビより)
※要約・レビュー記事はこちら
イノベーション部門賞を獲得した『売上を、減らそう。』は、京都の小さな定食屋“佰食屋”が生んだ「奇跡のビジネスモデル」をまとめた一冊。同店を経営する中村朱美さんは、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019」を受賞した、今最も注目される起業家の一人です。
人生100年時代に考えたい、「社員の働きやすさ」と「会社の利益」の両立。会社も社員も幸せにする“働き方改革”について書かれています。
『学校の「当たり前」をやめた。』は、千代田区立麹町中学校で校長をつとめる工藤勇一さんの著書。「おはよう日本」(NHK総合)や「林先生の初耳学!SP」(TBS系)などに著者が出演し、お茶の間の注目も集めました。
本書には、「次世代を担う子どもたちにとって必要な学校の形とは?」「学校が担うべき本来の役割とは?」という本質を追求すべく、宿題やクラス担任、中間・期末テストなどを次々に廃止した、“公立中学校の挑戦”が書かれています。
舞台は学校ですが、企業においても“これまでの当たり前”が前提とされがち。「マネジメント部門」を受賞した意味はここにあるように感じます。
『天才を殺す凡人』は、公開されるやまたたく間に閲覧数30万PVを超えた人気ブログ「凡人が、天才を殺すことがある理由。」をストーリー仕立てにした一冊。
90分で読める長さにまとめられているので、幅広い人が手に取りやすいところもポイントです。
※要約・レビュー記事はこちら
リベラルアーツ部門賞を獲得したのは、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』。イギリスの“底辺託児所”で働きながらライターとしても活動しているブレイディみかこさんが、自身の息子の「中学生活最初の1年半」を綴ったノンフィクションで、第2回「Yahoo!ニュース本屋大賞 ノンフィクション本大賞」にも選ばれました。
イギリスの中学校の日常を書いたものですが、その実態は「世界の縮図」といっても過言ではありません。ビジネス書グランプリの受賞作においてはやや異質なタイトルですが、他者を理解すること、今起きている“リアル”を知ることの手助けとなる一冊です。
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ビジネス実務部門賞を獲得したのは、『メモの魔力』。2019年の年間ベストセラー(日販調べ)で単行本ビジネス書部門第1位に輝き、現在も幅広い世代に読まれているロングセラーです。
本書の特徴は、40~50代の男性読者が多いビジネス書ジャンルにおいて、20代の若い世代も多く手にとっていること。そして、テレビ番組をはじめとした著者のメディア露出によって、40~50代女性を中心とした“お茶の間”からの支持も集めていること。
最近もダルビッシュ有さんが「『メモの魔力』からヒントを得て自分バージョンにしている」とツイートするなど、ますます広がりをみせています。
・『the four GAFA』が「読者が選ぶビジネス書グランプリ2019」総合グランプリに決定