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1.銀行員だった主人公は、「破綻懸念先」に区分されているクイーンズブックスへの出向を命じられた。彼がなすべき役割は、リストラや店舗閉鎖を伴う徹底した債権回収か経営再建かという、2つに1つであった。
2.着任した主人公は、決算書を経理や税理士に任せきりにしている社長に、財務諸表を教えることからはじめた。
3.主人公は、店舗のひとつをコンビニと共同出店にすることを提案した。売上の低下を懸念する社長に猛反対されたが、現状を打破するために必要だと説得し、一歩を踏み出すこととなった。
「ピンチをチャンスに変える」――よく聞く言葉である。しかし、実際にピンチが自分の目の前に立ちはだかったら、ピンチはピンチにしか見えないというのが、正直なところではないだろうか。
本書は、小説の形をとっているが、著者の実体験に基づいた内容となっている。著者は、経営不振が続いていた明屋書店の代表取締役に就任してから、たった2年で業績を改善。『週刊ダイヤモンド』誌の2016年「地方『元気』企業ランキング」で全国中小企業300万社の中から第1位に導いたという経験を持っている。そんな著者の経験や手法が随所に盛り込まれているのだ。
もしかしたら、「ビジネスの知識をつけたところで、業績が改善するはずがない」と思う人がいるかもしれない。本書でも、「知識を身につけるべき」という主人公に対し、「現場をわかっていない」と猛反発するスタッフの姿が描かれている。そんな疑問を持っている人に、本書は答えをくれるだろう。そして、その知識が生かせるようになった時、「ピンチをチャンスに変える」方法も見えてくるかもしれない。
舞台は書店だが、本書では、どんな業種にも通用するビジネスの基本を学ぶことができる。これからビジネスの世界に足を踏み入れようとしている新入社員から、自分のビジネス知識に不安を持っている人、また、今置かれている環境に不満を感じている人にもおすすめの一冊である。