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  • 英語学習の“軸”となる高校生向け「ジーニアス」が登場!楽しく読める工夫が随所に

    2020年01月11日
    知る・学ぶ
    新聞之新聞社 諸山 誠
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    四半世紀以上にわたり学習英和辞典市場のトップに君臨する、大修館書店の『ジーニアス英和辞典』。2019年12月11日には新たな「ジーニアス」ファミリー『アクシスジーニアス英和辞典』(AG)が発売されました。

    AGは、約10万5000語を収録するハイレベルの『ジーニアス英和辞典 第5版』(G5)と、初学者向けの『ベーシックジーニアス英和辞典 第2版』(約5万5000語)との中間に位置する、中級レベルの英和辞典(約7万5000語)です。

    電子辞書の利用が広まり、紙の辞書は厳しい市況にあります。しかし、同社編集第二部の内田雅さん、販売部の菊地望さん、山口隆志さんに話を聞くと、AGには紙の辞書のメリットを最大限に追求しながら、英語学習に楽しくのめり込める工夫がそこかしこに散りばめられていることがわかりました。

    (取材・構成:新聞之新聞社・諸山 誠)

    アクシスジーニアス英和辞典
    著者:中邑光男
    発売日:2019年12月
    発行所:大修館書店
    価格:3,300円(税込)
    ISBNコード:9784469041859

     

    今回取材にご協力いただいた方

    (左から)
    大修館書店 販売部・菊地望さん
    同 編集第二部・内田雅さん
    同 販売部・山口隆志さん

     

    「ジーニアス」に高校生向け決定版登場

    ――同書を企画した背景を教えてください。

    内田 企画の発端は、いわゆるG5が進学校の高校の生徒にとってもハイレベル過ぎるという声が多く聞こえてくるようになったためです。高校の現場でもっと活用してもらうためには、G5の内容を高校生のレベルに合わせて精査する必要がありました。そこで生まれたのがAGです。

    制作のイメージとしては高校生向けに特化した感じではありますが、社会人を含めて一般の英語学習者も使える仕様になっています。タイトルの「アクシス」は軸という意味で、英語学習者の勉強の軸になるような辞書にしたいという思いを込めています。

    ――AGは緑の函入で見た感じが明るいですね。

    内田 緑色の函も珍しく書店店頭では目を引くと思いますが、中身はもっと見た目にこだわっています。辞書は中を開いて、ぱっと見の印象、つまり見やすさが大事になります。そこで、今の若い世代に合わせて、スマートフォンで主に使用されているゴシック体を使用しました。

    辞書では字数を詰め込めて編集作業に適した「明朝体」を文字に使用するのが“常識”です。その編集上の便宜性を犠牲にしてまでも、見やすさを優先させました。おそらくメインの文字に明朝体ではなくゴシック体を使うのは、本格的な学習辞典では初めての試みだと思います。従来よりも盛り込める文字数が減るため、ページ数が膨らんだりしないかと懸念してはいましたが、何とか想定内に収まりました。

    また、重要な語義を赤色にしているのですが、ページを開いて目にうるさくなく、かつカラフルさを活かせるバランスを模索しました。メインの文字のゴシック体への変更も含めて、高校の先生からは「見やすくなったね」と好意的な反応をいただいています。

    ▼「アクシスジーニアス」内容見本

     

    「Question Box」など楽しく読める工夫散りばめる

    ――AGは、「日々の単語学習」「受験勉強」「実践に役立つ英語」の3つの軸(アクシス)から英語学習をサポートすると謳われています。それぞれにおける工夫について教えてください。

    内田 もっともこだわったのは、受験勉強の軸の中で新たに設けた「Question Box(クエスチョンボックス)」です。生徒が抱きそうな語法や文法に関する疑問とそれに対する具体的な回答を、Q&A形式のコラムにまとめたものです。

    「ジーニアス」シリーズの辞典はおかげさまで、“語法に強い”という定評をいただいています。AGでも、そこはこだわろうと思いました。ただ、G5のように、たんたんと語法を解説するだけでは高校生にはとっつきにくい。そこで、「Question Box」として独立した欄を設けて、視覚的にわかりやすくしました。

    (下図にある)「because」など39の単語の「Question Box」を設けていますが、これは高校の先生に、作文でよく生徒が間違えることをアンケートで聞き取りし、編集委員の先生からも意見をいただいて決めました。

    このほかにも、英作文などで間違いやすいポイントもわかりやすく解説しています。▲日本人の英語学習者が間違えやすい英文の誤用例を示して、その下になぜ誤りなのかを例文と日本語訳を付けて詳しく解説

    ――そのほかの特長は。

    内田 「日々の単語学習」で注目していただきたいのは「語義ツリー」です。G5では、語義は通常の英和辞典と同じく、インデックスという項目に羅列されていますが、AGでは言葉の意味の全体像をつかみやすくするために、下図のように囲みのコラムの形にしました。例示した「run」には、走る、急いで行くなどの意味がありますが、「動く、動かす」から「会社を動かす→経営する」という意味も持っています。これをツリー形式にして視覚的に意味を捉えやすいように有機的につなげているのが特長です。多くの多義語から192の単語を抽出して語義ツリーにしました。

    通常使われるのとは違う意味も多い単語は、このような語義ツリーによる補足があると理解しやすい。つながりのないものを機械的に覚えるのは大変ですから。

    また、「実践に役立つ英語」の軸としては「チャンク(かたまり)英会話」という項目を73語用意しました。チャンクとはいわゆる決まり文句です。理屈抜きにその言い方をかたまりで覚えられるよう、目立つように構成しました。さらに、イラストを見れば一目瞭然という単語、例えばジェスチャーなどのイラストはG5よりも明るく、高校生向けに変更しました。

    ――わかりやすさを追求し、かゆいところに手が届く仕様にこだわったんですね。

    内田 やはり、まずは紙の辞書を使っていただきたいので、使いやすいようにというのが念頭にあります。その意味では、高校生が間違えやすい語法などを100項目集めた「Typical Mistakes(ティピカルミステイクス)100」という資料を巻末付録として付けました。

    実はこれが高校の先生から、非常に好評なのです。内容の趣旨は先ほどの「Question Box」と同じで、間違えやすい項目をリストアップしたものです。ただ、正解の英文の隣に、正しい使い方の説明を掲載しているページを示して、本体と付録を有機的につなげました。これならば、授業で最後に10分余った時、さらには自習用やペアワークなどにも使えます。

    昨今は紙の辞書が使われなくなっていますが、その一方で最初は紙の辞書を使う方がいいという先生も少なからずいます。本体と付録を行き来させる仕掛けには、「紙の辞書を引く」という習慣を身につけてもらいたいという願いも、実はこもっているのです。

     

    語学力アップには辞書の中での寄り道を

    ――「ジーニアス」シリーズや『明鏡国語辞典』など、紙の辞書を活用するアプリを開発されたと聞きました。

    山口 2019年3月から「ジショサポ」というスマートフォン向けアプリの提供を開始しました。現在、G5や『ジーニアス和英辞典 第3版』『ベーシックジーニアス英和辞典 第2版』『明鏡国語辞典 第二版』『新漢語林 第二版』『新全訳古語辞典』、そしてAGの7銘柄に対応しています。辞書の使い方がわからない生徒が多いということで、辞書に対する抵抗感を払拭してもらうためにも出版社がユーザーをサポートする必要があると考え、開発しました。

    使い方は簡単です。アプリをスマホにダウンロードしてこれらの辞書の扉ページをカメラで撮影すると、各々の辞書に対応した学習コンテンツを無料で利用することができます。

    AGでは辞書引きのコツがわかる講義動画や、発信に役立つ表現を場面別にまとめた巻頭カラーページ対応の音声フラッシュカードと学習コンテンツ、「チャンク英会話」に対応した音声フラッシュカード、「Typical Mistakes 100」対応の「〇×ドリル」、基本語の語義アニメーションといったコンテンツを用意しました。

    ――AGについて書店の反応はいかがでしょうか。

    菊地 2019年10月から多くの書店さんにご案内したところ、非常に好印象を持っていただいているようです。まずは書店店頭で学校や塾の先生、保護者の方々などに見ていただき、認知度を向上させながら辞書販売のピークである3~4月につなげていきたいと考えています。

    「ジーニアス」は英和が3種類となり、英語を学習する方が書店でどれを選べばいいか迷われることもあるかと思います。その人に合った「ジーニアス」を選んでいただけるように、それぞれの特徴がわかるPOPなどの販促物をご用意しています。広告のほか、SNSなどを使って情報を発信していく予定ですので、ご注目いただきたいですね。

    ▼ジーニアスファミリーの比較表(※クリックすると画像を拡大して見られます)

    ――最後に辞書の使い方などについて、辞書づくりのプロのアドバイスを聞かせてください。

    内田 使い方については、古典的ですが、付箋を貼ったり、書き込んだりして、「マイディクショナリー」をつくるということでしょうか。今はわかりませんが、私が受験生の時にはずっとそう言われてきました。

    紙の辞書には英語力を上げる上で大きな利点があります。それは調べたい単語の周りにある、たくさんの情報が自然と目に入ってくることで、これは電子辞書にはない特長です。

    AGでは、見開きのページから目に入ってくる「Question Box」や語義ツリーが気になれば、目的の単語を調べた後に、それを一読してほしい。そういう気持ちになることが、語学力アップの一つの大きなカギです。その意味で、AGは目に入りやすいコラムをたくさん散りばめており、高校生や中級の英語学習者に使いやすいつくりになっています。

    「読む辞書」を心がけて制作にあたったつもりですので、ぜひ、辞書の中を寄り道して楽しみながら英語を学んでほしい。日本の社会は英語ができなくても生活できるため、英語を学ぶ外的動機は弱いかもしれませんが、洋楽や洋画に興味を持つのと同じように、AGを見ることが、その内的動機をつくるきっかけになればと思っています。

    大修館書店『アクシスジーニアス』特設ページはこちら

    ジーニアス英和辞典 第5版
    著者:南出康世
    発売日:2014年12月
    発行所:大修館書店
    価格:3,850円(税込)
    ISBNコード:9784469041804

    ベーシックジーニアス英和辞典 第2版
    著者:原川博善 畠山利一
    発売日:2017年11月
    発行所:大修館書店
    価格:2,970円(税込)
    ISBNコード:9784469041835




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