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  • 元偏差値35の現役東大生・西岡壱誠さんにとっての“書店”とは、本を読むこととは

    2020年01月08日
    知る・学ぶ
    日販 ほんのひきだし編集部「日販通信」担当
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    19万部を突破した『東大読書』や、『東大作文』『ずるいテスト術』などの著作で知られる西岡壱誠さん。最新刊『「発想力」と「想像力」を磨く 東大アイデア』も、偏差値35から東大合格を果たした西岡さんが、試行錯誤のすえ完成させた、仕事や勉強に役立つ発想法がつまっています。

    書き手として活躍するようになり、書店や本の見方が変わったという西岡さん。今回は、その“変化”と西岡さんにとっての“書店”について、エッセイを寄せていただきました。

    西岡壱誠
    にしおか・いっせい。東京大学4年生。歴代東大合格者ゼロの無名校のビリ(元偏差値35)だったが、2浪ののち東大の試験で問われる「発想力」や「思考力」を高めるノウハウを編み出し、合格。現在は家庭教師として教え子にそのノウハウをレクチャーする傍ら、1973年創刊の学内書評誌「ひろば」の編集長も務める。著書に『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』『読むだけで点数が上がる! 東大生が教えるずるいテスト術』などがある。

     

    書店は世の中の窓だと思う

    書店というのは、世の中を見渡す「窓」だと僕は思います。

    書店に行って、真っ先に目に付く本はきっと、僕以外の多くの人も同じように真っ先に目についた本で、僕以外のいろんな人に読まれる本です。その本のタイトルやメッセージが、多くの人の血肉になって、心の一部になるのだと思うのです。そしてそういう、「これから世の中の多くの人が抱える思い」や「世の中の流れ」が垣間見える場所こそが書店だな、と。

    「人間関係」の本が置いてあったら、「ああ、みんな人間関係に困っているのか。僕も最近大変だもんなあ」なんて考えます。「コミュニケーション」の本がレジの前に置いてあったら、「コミュニケーションについて悩んでいる人がフッと本を手に取るのだろうか」なんて考えるのです。

    そうやって書店からいろんなことを教えてもらうのが、僕は好きなのです。「西岡くん。最近はみんな人間関係に困っているようだよ。人間関係で大変な思いをしている人って多いわけだから、君だけの悩みじゃないんだよ」と励まされているような気分になるのです。

    昔はそんなこと、考えることもありませんでした。きっと多くの人がこの書店で自分と同じ本と出会っているに違いないとか、そういうことを考えることも気付くこともありませんでした。ただ普通に書店に行って、好きな本を買っていました。でもいざ本を書く立場になってみると不思議なもので、書店で本を見ると、どうしてもその本が作られた経緯を想像してしまうのです。

    「こういう本が出てるってことは、世間ではこういう問題が叫ばれているってことなんだろうな」「こういう需要があるから、この本が発売されたのだろう」と。きっとこの著者はこう考えたに違いない、そしてこの本を読む人はこう考えるに違いない、と。

    無論、本当に僕が思う通りに読まれているか、書かれているかはわかりません。硬い本だと思ったらポップだったとか、難しい本かと思ったら小学生が読んでいたとか、そういう誤算もあることでしょう。しかしそれも込みで、「こんな本なんじゃないか」「こんな読者なのかもしれない」と想像してみるのが楽しい。そしてそんなことを考えている前で、誰かがその本をレジに持っていったときには、「ああ、多分こんな風に読むはずだ」と考えてしまうのです。

    また、その仮説が正しいかどうかを自分で試すこともあります。実際に読者になってみて、「僕はお前のことをこんな本だと思ったんだけど、合ってるかな?」と聞くわけです。そうすると、正しいことも間違っていることもある。でもどっちにしろ得るものは大きいわけです。

    そして、そんな中でもたまに、「誰がどんな仮説で書いた本なのか全くわからない本」「どう受容されるかわからない本」は、とても気になってしまいます。「え? この本は一体、誰に向けて書かれたんだろう?」「どういう人に読まれたい本なのだろう?」と。そんなふうに書店で出会った本は必ず、買ってみることにしています。

    そうやって手に取った本を読んでみると、なんだかこちらの思惑を本に覗き見されているような気分になります。「おや? お前は私の思い描く読者ではないようだ。しかしどうして、私のことを手に取ったのかね? 私のことの一部でも、お前に理解できるかね?」と、そういう風に話しかけられているような気になります。

    「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」とはよく言ったもので、「本を読むということは、本に自分のことを読まれていることなのかもしれない」と僕は妄想してしまうのです。

    僕にとって書店とは、そうやって自分を磨く場所です。誰かのことを考えて、世の中のことが薄く見えてくる、そしてそれが見えないときには、本と会話をする。そういう体験ができる、唯一無二の場所だなあと思うのです。

    【著者の最新刊】

    東大アイデア
    著者:西岡壱誠
    発売日:2019年12月
    発行所:マガジンハウス
    価格:1,540円(税込)
    ISBNコード:9784838730513

    【目的】【調査】【発想】―3つの仕組みで「使えるアイデア」を生み出そう!
    「おもしろいアイデアが出せない」「成果の出る企画が思いつかない」……。
    そんな“アイデア”に関する悩みは、この一冊で即、解決です!
    偏差値35から東大に合格した、現役東大生の著者が試行錯誤のうえ完成させた“東大アイデア”を初公開!
    これからのAI時代―ますます必要になってくる、「発想力」=「実践的なアイデア作り」を分かりやすく伝授します。

    〈マガジンハウス 公式サイト『「発想力」と「想像力」を磨く 東大アイデア 』より〉

    (「日販通信」2020年1月号「書店との出合い」より転載)

     

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