• fluct

  • “乗る”だけじゃない!折り畳み自転車の楽しみ方が広がる『おりたたぶ』

    2019年12月24日
    楽しむ
    花森リド:講談社コミックプラス
    Pocket

    おりたたぶ 1
    著者:こんちき
    発売日:2019年11月
    発行所:講談社
    価格:495円(税込)
    ISBNコード:9784065175293

     

    移動手段が変わると、世界が変わる

    移動手段によって街の印象や頭の中の地図は変わると思う。電車と徒歩だけでは知らなかった場所が、バスや自動車に乗るとたくさん見つかる。そして自転車。初めて自転車に乗って出かけた時の、あの世界が激変した感じ。自転車があれば、ちょっと遠い河原や隣町にスイスイ行ける! そして、自転車が秘めているポテンシャルは大きくて豊かだ。

    『おりたたぶ』を読んでそれがよーくわかった。

    そう、そう、自転車ってこんな感じ。

    しかも「この子たち、ほんと楽しそう」とホッコリ読んでいるうちにガチで購入検討をしてしまう。何が欲しくなるかって? 折り畳み自転車です。

     

    アパートに駐輪場がない!

    主人公の“鳴嶋ゆうみ”は上京したての女の子。住んでいるエリアは西武新宿線の都心から少し離れた街のよう。

    引っ越し先のアパートに駐輪場がないことがわかってピンチ。新生活で自転車に乗っていろんなところに行くぞーと意気込んでいたのにガッカリ。自転車が大好きなゆうみは、「雨ざらしなんて自転車が錆びてかわいそう」と思って自転車ライフをあきらめようとします。

    ところが、その問題を突破する「ある出会い」が訪れます。電車の中で楽器のような大きなものを抱えている女の子。

    女の子は駅を降りると、その大きなものを組み立てはじめます。バギーっぽいこの器具の正体は……、

    折り畳み自転車! 車輪ちっちゃ! 彼女は“滝沢奈緒”。ゆうみのように自転車が大好きで、特に折り畳み自転車に詳しい女の子です。

    こちらは“A-bike”という実在する折り畳み自転車。車輪がとても小さいので、パラメータのうち「走行性能」は星1つ。でもそのぶん軽くて小さくて便利。こんなふうに、折り畳み自転車には個性がたくさんあります。

    解説がどれもわかりやすい。

    ゆうみは、折り畳み自転車のことは詳しくないけれど、「折り畳めるなら、部屋の中に持ち込める」と気がついて、いいなあと思うんです。

    私も、読めば読むほど「折り畳み自転車っていいかも」と思う。で、いろいろあって、ゆうみは折り畳み自転車“DAHON III”との生活をはじめます。

    キラキラ!

     

    ポタリングって楽しいね

    本作を読むと「折り畳み自転車」の知識がモリモリ増えます。

    コンパクトかつ自転車が傷まない。

    ちょっとした補足がとても手厚い……しかもみんな優しい。

    そして、本作は折り畳み自転車の知識だけのマンガじゃないんです。折り畳み自転車によって起こる「楽しいこと」が、奈緒とゆうみの視点から山盛り描かれています。

    玉川上水をたどってポタリング(=自転車に乗ってお散歩)。「信号が少ないから走りやすい」といった良情報も。ほんと手厚いなあ。

    横田基地まで行って、横田バーガーをいただきます! 運動をした後だから余計おいしいね。

    「ただ自転車が好き」だけじゃない楽しさと喜びが詰まってます。実はこの二人、「どの学校に通っていて」や「地元はどこで」や「何が得意で」という話はまだあまりしていなくて、ただただ「一緒に自転車に乗って出かけるのが楽しい」友達なんですよ。だから、お互いのいろんな面をこれから少しずつ知っていくんです。そこも可愛くていいなあと思います。

    (レビュアー:花森リド)


    ※本記事は、講談社コミックプラスに2019年11月24日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




    タグ
    Pocket

  • GoogleAd:SP記事下

  • GoogleAd:007

  • ページの先頭に戻る