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広告代理店を舞台に「天才になれなかった全ての人へ」をテーマにした漫画『左ききのエレン』。10月20日(日)から神尾楓珠さん・池田エライザさん出演のTVドラマが放送され注目を集めています。
そんななか、横浜駅近くの「アソビル」では11月24日(日)まで「左ききのエレン展」が開催され、10月26日(土)には、特別対談が実施されました。
登壇したのは『左ききのエレン』作者のかっぴーさん(写真右)と、作画担当のnifuniさん(写真中央)。「左ききのエレン展」を企画・制作した、面白法人カヤックのクリエティブディレクター・天野清之さん(写真左)が対談の進行をつとめ、漫画の制作エピソードや、展示の見どころが紹介されました。
当日は、読者約60人が参加し満席状態。対談は、イベント参加者から質問を受ける形式で進行されました。
『左ききのエレン』は、広告会社でアートディレクターを務める主人公・朝倉光一と、天才的な絵画の才能を持った山岸エレンの2人を中心に進む「なにかになりたい者」の青春群像劇。かっぴーさんが「cakes」で連載している「原作版」と、かっぴーさんが再度ネームから起こし、nifuniさんが作画を担当する「リメイク版」(Webマンガアプリ「少年ジャンプ+」で連載中)の2種類があります。
イベント参加者から寄せられた「原作版からリメイク版になってエピソードが増えているのはなぜか?」という質問に対して、かっぴーさんは「追加という認識は無くて、原作版を制作しているときから、頭の中にあったものを描いているだけ」と回答しました。
リメイク版はストーリーに変化はないものの、連載媒体の変化による制約の違いや、リメイク版のために再度ネームを書くことで、原作版では表現しきれなかった各キャラクターの人物像がより詳細に描かれています。
話の入り方や見せ方、物語のテンポの都合で「漫画になっていない」だけで、かっぴーさんの頭の中には、描きたいシーンやキャラクターの詳細な設定が詰まっているそう。イベントでは光一の上司・柳など人気キャラクターの番外編など、作品の新たな展開を匂わせました。
作画担当のnifuniさんは「リメイク版は(原作版から)解像度を上げている」とコメント。
「4Kで撮れるカメラでも、出力方法がブラウン管なのか、4K対応テレビなのかで見え方が変わるように、かっぴーさんの頭の中にある内容を、高いレベルの解像度で読者に届けることに力を入れている」と、リメイク版ならではのおもしろさに言及しました。
▲かっぴーさんは、「nifuniさんを困らせようと(大量に)ネームを切ってるわけではないです(笑)」と語りました。
その後、「理想の上司は、神谷か柳か」「柳の服がギャルソンなのはどうしてか」など、トークでは光一の上司・柳に関する質問が集中。柳の強烈なキャラクターは、実際にかっぴーさんが、広告会社に勤めていたころの経験を活かしているという話も。「『漫画らしい』キャラクターに寄せないと洒落にならない」など、随所で「広告業界のあるある話」が紹介されました。
「左ききのエレン展」では、超特大のキャラクター年表が展示されています。年表は登場人物それぞれの相関や、現代と過去を行き来する物語の時系列が整理され、複雑な本作を理解しやすくなっています。
さらに、MBS・TBS系で放送中のTVドラマで使用された小道具や、光一が新進気鋭のアートディレクターとして脚光を浴びるようになった「ギガカラチップス」のCMビデオと絵コンテも公開。かっぴーさん曰く、「カンヌライオンズで広告賞を取っちゃうレベル!」のクリエイターが作った作品は必見です。
▲壁一面に「天才になれなかった全ての人へ」贈る数々の名言が並びます。
▲夜が明けるまでデザインを生み出し続ける主人公・朝倉光一のデスクが再現されています。
ほかにも、かっぴーさんとnifuniさんのLINEによる制作過程や描き下ろしのイラストなどが多数展示されています。
ドラマ化で注目を浴びる中、『左ききのエレン』をより楽しめる展示がいっぱいの「左ききのエレン展」は11月24日(日)まで開催中。『左ききのエレン』最新第10巻は11月1日(金)発売です。