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収穫の秋、食欲の秋がやってきました。本を読むことの醍醐味はさまざまですが、「おいしそうな食べもの」の描写はどんな本でもずっと心に残るもの。今月は、おやつからごはんまで、おいしいものが登場する絵本をピックアップしてみました。
ちょっと珍しい、「ぎょうざ」の本。なんでも、作者が「こどもの頃いちばん楽しかった日」を思い出して書いたのだそう。うーん、その気持ちわかる気がします。
包丁や火にまだ触らせてもらえない子どももりっぱにつとめられるのが、「ぎょうざを包む」係。これは何人いても、楽しい!
肉がはみ出すことなくきれいに包めたときのよろこびや、具と皮の量をみくらべながら、ぴったり包みおえられたときの快感(これはめったに味わえませんが)、そして家族や友人とのおしゃべりの時間。
この「ぎょうざの日」のうれしい、おいしい気持ちがぎゅっと、1冊の本に包まれております。どうぞ、ぎょうざの香りにお腹をすかせながら、めしあがれ!
ホットケーキをつくるとき、なにをそろえますか? 小麦粉、牛乳、卵、砂糖にバター。そう、その通りですが……その材料はいったいどうやって作られているのでしょう?
この絵本のジャックは、「でっかいホットケーキが食べたい!」とお母さんにいったら、なんと小麦を刈り取って「小麦粉をつくる」ところから頼まれましたよ!
できあいの食べものに慣れきった現代の私たちですが、その「もと」をたどると、他の食材とのつながりを知ったり、材料の選び方が変わったり、思わぬ学びがあるはず。『はらぺこあおむし』のエリック・カールさんが手がけた、食育にもおすすめの1冊です。
かこさとしさんのロングセラー絵本。4羽のかわいい赤ちゃんが生まれたパンやさんのおうちですが、子育てと仕事の両立はとっても大変! お店をちらかしたり、お客さんを待たせたりしているうちに、だんだん貧乏になってしまいます。けれども、家族みんなで楽しい形のパンをどっさり焼いてみたら……たちまち森じゅうからからすのお客さんが集まってきましたよ!
楽しい名前がついたパンがずらりと並ぶ見開きのページは、いつだって子どもたちのお気に入りです。
ひとつひとつ形のちがうパンに加えて、1羽1羽さまざまな格好をし、様子のちがうからすたちにも、かこさとしさんの「子どもたちを楽しませたい」という思いがつまっています。
猫が商店街で魚を買うお母さんをみつけました。「ばんの おかずに するのかな」。家についていくと、さんまがこんがり焼けていいにおい! ここから猫の、近所の家々をまわる「ごはんパトロール」がはじまります。みんなで作ったカレーライス、オムライスに手づくりコロッケ。まるで写真のアレンジなのかな?と思うくらいに、リアルでおいしそうに描かれたごはんたちが登場します。
驚くことに、これらの絵は、すべてクレヨンとクレパスを駆使して描かれています。独自の手法でとことん追求したおいしそうな食べものの絵が、お腹いっぱいになるまで楽しめる絵本です。(ちなみに、コロッケのページの絵のモデルは、編集者と手づくりしたコロッケなのだとか。じゃがいものほかにかぼちゃコロッケも混ざっているそうですよ! どれかわかるでしょうか?)
以上、4冊の絵本を紹介しました。お気に入りの1冊がみつかりますように!
※本記事は、偕成社のウェブマガジン「Kaisei web」に2019年10月7日に掲載されたものです。また、この記事の内容は掲載当時のものです。