'); }else{ document.write(''); } //-->
▲「『82年生まれ、キム・ジヨン』ストーリーブック」より
昨年12月に刊行された『82年生まれ、キム・ジヨン』が、2019年上半期(1~6月)海外文学部門ランキングで6か月連続第1位を記録(※)。これを記念して、同作の副読本ともいえるストーリーブックが公開されました。
ストーリーブックには、『82年生まれ、キム・ジヨン』の人物相関図や、幼少期から結婚・妊娠、出産、再就職、そして「ママ虫」という衝撃的な言葉が飛び出す育児中まで、彼女の半生の印象的なシーンを切り取ったダイジェスト版を、漫画家・西村ツチカさんの描き下ろし絵とともに収録。
また、作中で取り上げられる「男女の賃金格差」や「既婚女性の離職率」などについての日韓統計データ比較、著者チョ・ナムジュさんからのメッセージ、『82年生まれ、キム・ジヨン』刊行後の動きも読むことができます。
※トーハン「TONETS i」調べ
『82年生まれ、キム・ジヨン』は、刊行から半年以上過ぎた現在も売れ行き好調で、現在9刷・累計発行部数13万部(2019年8月9日時点)。
なかでも紀伊國屋書店新宿本店では、8月8日までに累計1,502冊を売り上げており、同店の反中啓子さんは「通常の翻訳文芸書の売れ行きから考えると、まさかここまで売れるとは思っていませんでした。『82年生まれ、キム・ジヨン』のヒット以降、翻訳書の中でも韓国文学の刊行点数は増え、手に取る読者も増えていると感じます。現在政治状況は緊迫していますが、本を通しての韓国への理解や文化の交流は、これまでになく深まっていると感じます」とコメントを寄せています。
『82年生まれ、キム・ジヨン』は、当初こそ「Red Velvetのアイリーンさん、少女時代のスヨンさん、BTS(防弾少年団)のRMさんといった人気芸能人が読んだ」ということが多くの人が手に取るきっかけとなりましたが、以降は「語られている内容が“自分ごと”として感じられる」「小説を読むと、誰かに話したくなる」ことから、読者から新しい読者へ手渡すかたちで輪が広がっているようです。
女性が人生で遭遇する困難を淡々と描いた『82年生まれ、キム・ジヨン』。まだ読んでいない方の予習にも、すでに読んだ方が、同作の背景にあるものをより深く知るのにもおすすめです。
〉『82年生まれ、キム・ジヨン』ストーリーブック(筑摩書房特設サイト)
http://www.chikumashobo.co.jp/special/kimjiyoung/
・空前の豊穣ぶりをみせる韓国文学 「キム・ジヨン」だけじゃもったいない!【中韓小説特集:韓国編】
・特集「韓国・フェミニズム・日本」で大反響の文藝秋季号 発売5日で17年ぶりの重版決定 単行本化も