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『舟を編む』『まほろ駅前多田便利軒』などの小説で知られる一方、独特な視点と炸裂する妄想、軽快でコミカルな筆致のエッセイでも人気の高い三浦しをんさん。
8月5日(月)、そんな三浦さんの最新エッセイ集『のっけから失礼します』が集英社から発売されました。
全65編にものぼる「日々の出来事」、その内容とは……? 担当編集である集英社 BAILA編集部の中川友紀さんに、読みどころを教えていただきました。
三浦しをんさんの最新刊は、日々の出来事を綴った待望のエッセイ集。2014年からファッション誌BAILAで連載しているエッセイに書き下ろし5作を加えた、自称「構想5年!」の超大作です。タイトルの「のっけから失礼します」は、連載がBAILAの巻頭であることに由来しています。(ちなみに連載は現在も継続中です)
BAILAは月刊誌なので締め切りは月に1回。「1カ月あると何かしらの面白いネタは見つかるもの」とご本人もおっしゃる通り、何気ない日常から面白いひと、もの、ことを見つける天才、三浦さんの本領がいかんなく発揮されています。
連載期間中にドはまりしたEXILE一族のライブではきらめき貯蔵袋が破裂、夢から始まるとんでも妄想、タクシーの運転手さんとの面白トーク、個性豊かな三浦家の人々との愉快な日常……。章末書き下ろし「もふもふパンダ紀行」では和歌山でパンダの赤ちゃんの可愛さに悶絶し、豪奢な温泉ホテルに感嘆。また文楽や宝塚、漫画など、「好きなもの」への過剰なまでの愛が存分に語られます。
「エッセイというのは究極的には自虐か自慢のどちらかになるもの。それをどの程度自覚して書くかというのは非常に重要」と語る当代きっての人気作家が綴る全65編、どれもがハズレなしの面白さで、電車で読むには注意が必要です。
そして、三浦さんのエッセイの大きな特徴と言えると思いますが、すべてが他者へのフラットで敬意のこもった視点から描かれているので、それが読んでいて心地よく、明るい気持ちになれるのです。日常の疲れやちょっとした悩みを吹き飛ばし、思い切り笑える一冊。ぜひ三浦しをんワールドをご堪能いただけると幸いです。
(文・集英社 BAILA編集部 中川友紀)
8月9日(金)発売の「BAILA」9月号に、特集「ようこそ、三浦しをんワールドへ」(4ページ)が掲載。三浦しをんさんのインタビューも読めます。ぜひあわせてお楽しみください。