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2001年に小学館から発売された大ベストセラー『世界の中心で、愛をさけぶ』。2004年には実写映画化もされました。主演は大沢たかおさん、柴咲コウさん、それぞれの高校生時代を森山未來さん、長澤まさみさんが熱演しました。
実写映画だけではなく、同年にはTVドラマ化、翌年2005年には韓国でリメイク映画が公開されるなど、国内外で「セカチュー」ブームが巻き起こりました。
「セカチュー」ブームから十数年。7月13日(土)に新潮社から『世界の中心でAIをさけぶ』が発売されました。
『世界の中心でAIをさけぶ』は、片山さんがシアトルを旅しながら、テクノロジーの進歩した未来を徒然なるまま思索する日記となっています。
本書は、片山さんのブログ「セカチュー・ヴォイス」にある「The Road To Singularity」をまとめたもの。AmazonやMicrosoftが生まれたアメリカのシアトルを、片山さんや写真家の小平尚典さんを含む6人のキャラバン隊が旅をした軌跡です。
道中出会うさまざまな出来事(ハプニング)や、片山さんが考えている未来ーー高度に発達したAI(人工知能)、そしてやがてやってくる「シンギュラリティ」ーーについて書かれています。
シンギュラリティとは、AIが高度に発達し、人間の知性・知能を超える「特異点」のこと。2045年に到達すると予測されているこの特異点は現代の“宗教”になると片山さんは考えています。
新しい宗教が生まれつつある。その名を「シンギュラリティ」という。ええっ! シンギュラリティって宗教なのか? その通り。シンギュラリティは21世紀の新しい宗教だ。しかも70億を超える人類すべてを帰依させる力をもつ、いまだかつてわれわれが体験したことのない全体的かつ統制的な宗教である。
(『世界の中心でAIをさけぶ』P.9より)
この“宗教”下では、膨大なデータの処理によってすべてのことが予測可能な世界になる可能性があります。人が誰を好きになる、そういった感情すらもAIで予測されてしまうのかもしれません。
本書には、片山さんがシアトルの旅行中に感じたことが書かれています。待ち合わせをしている人を待たせてしまったこと、シアトルの星空を眺めて誰かを思うこと……。多くのエピソードの中、片山さんは人間は“ひとり”ではなく、“ふたり”だから進化してきたことに気づきます。
片山さんの軽快な“人間らしい”文章と、小平さんの撮影するシアトルの写真が心地よくマッチしている旅行記。
未知の世界に進もうとしている私たちの運命を、本書と一緒に考えてみませんか?