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東野圭吾さんの最新作『希望の糸』が、7月5日(金)に発売されます。東野さんの令和初の書き下ろし長編小説である本作は「家族」をテーマにした物語です。
今回は編集を担当した講談社 文芸第二出版部の大久保杏子さんに文章を寄せていただきました。
しつこいけれど 絆の話です 好きなので ――東野圭吾
今作の刊行にあたり、東野さんに書いていただいた読者の皆さんへのメッセージです。
物語は災害で二人の子供を喪った夫婦の苦悩から始まります。悲劇から数年後、自由が丘で喫茶店を営む女性が刺殺される事件が発生。事件の真相、背景をめぐり、容疑者そして捜査にあたる若き刑事も含めた、それぞれの苦悩が描かれます。
「親の心子知らず」と言いますが、その逆もまたしかり。家族だから甘えてしまって伝えられていない言葉があったり、親子だからこそ隠しておきたい真実もある、というのは誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。すべての父、母、子どもたちに必ず共感してもらえる感情がこの作品にはあります。
実は校了直前で物語の終盤に、ほんの少しだけ付け加えていただいたシーンがあります。その原稿をいただいたとき、著者の目の前で思わず落涙……。原稿用紙にして2枚程度の何気ない日常のシーンなのですが、そのわずかな描写にも心が大きく揺さぶられました。きっとあらゆる年代の人の心を掴んで離さない名シーンです。お楽しみに!
近年、雑誌掲載をせずほぼすべての長編を書き下ろしで発表している東野さんですが、執筆中は私たちも驚くほどの集中力で原稿を上げてくれます。書き下ろしだからこそ「シリーズ作品なのかな?」「ミステリーなのかな?」「どんな話?」というのもすべて発売までは秘密です。
書店で手にとって、そして家に帰り、1ページ目を開いたときの高揚感。このわくわくもまた「東野圭吾」演出のエンターテインメントです。
今作ではちょっとしたサプライズも用意しています。それは本書を読んでのお楽しみ。『希望の糸』は「家族」小説の新定番となること、間違いなしです。