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昨日1月20日、今年の本屋大賞ノミネート作が発表されました。本屋大賞のノミネート作は、全国の書店員が最も「売りたい」作品を投票したうちの上位10作品。これからこの10作品を対象に、2次投票が行われます。2次投票では、ノミネート作選出の投票に参加した書店員が10作全てを読み、全てにコメントと順位づけを行います。そしてその結果から、今年の本屋大賞が決定することとなります。
書店員さんたちの「売りたい」気持ちを受けて選ばれた10作。ここまでどんな売れ方をしているのかを見ながら、プチ解説付きで作品を1つずつ発表していきましょう。
「本屋大賞」2017のノミネート作品はこちら
・「2017年本屋大賞」現在までの売れ方からノミネート10作を解説!
①『世界の果てのこどもたち』
児童虐待を描いた『きみはいい子』で多くの書店員さんの賛同を得、重いテーマながらベストセラー、映画化と話題をさらった中脇初枝さん。今作『世界の果ての子どもたち』は、戦時中の満州で生きた子どもたちを描いた作品です。戦後70年を迎えた昨年夏に発売され、新聞紙面で取り上げられるたびに売り上げを伸ばしました。戦時中がテーマのためか、年輩女性の読者が多い作品です。
②『戦場のコックたち』
発売当初から話題になっていた『戦場のコックたち』ですが、その評価・注目度は昨年の年末にピークを迎えています。各種ミステリランキングに飛び込んでブレイク、その後も直木賞にもノミネートされ、いまだ勢いが衰えていません。初長編でのノミネートがどう出るか、注目したい一作です。
③『羊と鋼の森』
宮下奈都さんは、書店員ファンの大変多い作家です。『羊と鋼の森』は、今回の直木賞(第154回)にもノミネートされていた作品。「王様のブランチ」で取り上げられて秋口に売り上げが急上昇し、その後も新聞などで注目され続け、また多くの書店員に愛されてのノミネートとなりました。
④『永い言い訳』
『永い言い訳』は、2015年2月に発売された作品です。テレビで取り上げられたのをきっかけにブレイクし、その後も山本周五郎賞や直木賞にノミネートされました。早くも今秋に映画化が決定している注目作です。
⑤『朝が来る』
作者は辻村深月さん。人気作家だけあって発売と同時に売り上げが急上昇し、その後もじわじわと売れ続けています。『朝が来る』では不妊治療や養子縁組といった社会的な問題を描き、主に子育て世代において多くのファンを獲得しました。「新境地」「最高傑作」との呼び声も高い作品です。
⑥『王とサーカス』
一昨年に『満願』でミステリランキングを総ナメにした米澤穂信さん。その影響は今年に入っても衰えを知りません。発売1週目の勢いは、読者の期待の表れでしょう。その後一旦売り上げが落ち着いたかに思われましたが、今年もミステリランキングの上位を独占しています。まだまだ勢いが止まりません。
⑦『教団X』
昨年の出版業界を大きく揺さぶった「アメトーーク!」の読書芸人特集。番組放送後に最も売れたのが、この『教団X』でした。お笑い芸人さんによる紹介の影響か、比較的若い世代の読者に支持されています。
⑧『流』
本作『流』は前回(第153回)の直木賞受賞作。戦後の中国~日本を描いた作品で、直木賞受賞作ということもあって読者クラスタのピークは60代となっています。本屋大賞ノミネートの影響で読者層に変化があるのかも、興味深いポイントです。
⑨『君の膵臓をたべたい』
作者は新人作家・住野よるさん。デビュー作での本屋大賞ノミネートとなりました。そして双葉社からの出版……となると、やはりあの『告白』を思い出してしまいます。注目の新人作家の登場に、書店員さんたちも発売時から大盛り上がり。売り場を飾り付け、POPを作成し……、そんな売りたい気持ちを受けた本作『君の膵臓をたべたい』は、すでに累計発行部数も30万部目前です!
⑩『火花』
2015年を代表する作品『火花』も本屋大賞にノミネートされました。「文學界」掲載時から高い評価を受け、その後単行本発売と同時にベストセラーになって芥川賞受賞で大ブレイクしました。人気は衰えることなく累計発行部数は230万部を突破。しかしまだまだ売れ続け、日々ベストセラー上位にランクインし続けています。
ちなみに今回の本屋大賞ノミネート10作品の紹介は、売り上げ冊数の少ない順になっています。ここから全作品を読んだ書店員たちがどんな順位をつけるのか、またその結果、この売り上げ順位に変動があるのかも目が離せないポイントです。
本屋大賞受賞作の発表は4月12日の予定です。皆さんも全作読んで、自分の「本屋大賞」を決めてみませんか?