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同じクラスの男の子、一緒に遊んでいる女の子、いつもやさしい先生……いろんな相手にいろんな「好き」という感情がありました。小さいころに感じた「好き」という感情は、大人から見れば「おままごと」と思われがち。だけど本当は、その恋を否定する権利は誰にもありません。
好きな人がいても、いなくても。恋が成就しても、しなくても。子どもたちの「好き」という気持ちを、全力で肯定する絵本シリーズが創刊されました。
「恋の絵本」シリーズは「anan」「週刊新潮」で作家インタビューや書評を担当し、TBS系テレビ番組「王様のブランチ」のブックコーナーでブレーンを務めている名ライター瀧井朝世さんが全面監修しています。
記念すべき第一弾は桜庭一樹さん・嶽まいこさんの『すきなひと』と、辻村深月さん・今日マチ子さんの『すきっていわなきゃだめ?』の2作品。直木賞作家であるお二人と、漫画やイラストで著名なお二人という豪華なメンバーが絵本に初挑戦しました。
意外なことに、桜庭一樹さんも辻村深月さんも恋愛は得意分野ではないとのこと。「だからこそ書けるものがあるのでは」と、わずか数百字の絵本にそれぞれの恋を表現しています。恋が苦手な人にこそ手に取ってほしい「恋の絵本」シリーズは以下のラインアップになっています。
①『すきなひと』 桜庭一樹・作/嶽まいこ・絵/瀧井朝世・編 2019年5月刊
②『すきっていわなきゃだめ?』 辻村深月・作/今日マチ子・絵/瀧井朝世・編 2019年5月刊
③『まっくろいたちのレストラン』 島本理生・作/平岡 瞳・絵/瀧井朝世・編 2020年刊行予定
④『こはるとちはる』 白石一文・作/北澤平祐・絵/瀧井朝世・編 2020年刊行予定
⑤『タイトル未定』 村田沙耶香・作/米増由香・絵/瀧井朝世・編 2020年刊行予定
現在「恋の絵本」シリーズ刊行を記念して「#私の恋キャンペーン」が開催されています。審査員に桜庭一樹さんと辻村深月さんを迎え、優れた作品には「サイン本」と「特製クオカード」が贈られます。
2冊の絵本にまつわる10のキーワードから、とっておきの恋(エッセイ・詩・川柳・短歌・写真・イラスト・漫画など表現方法は自由!)を大募集。
岩崎書店Twitterか、恋の絵本Instagramをフォローの上、ハッシュタグ #恋の絵本、#私の恋キャンペーン 、#○○(選んだキーワード)をつけて投稿してください。
詳しくは岩崎書店「恋の絵本」公式特設ページをご覧ください。
最後に編者の瀧井朝世さんから、「恋の絵本」シリーズの読者のみなさまへのメッセージをご紹介します。
小さい頃、わたしのまわりには、たくさんの「お姫様が王子様と結婚してめでたしめでたし」という物語がありました。それは遠回しに、女の子は男の子に守られるものだ、富と地位を手に入れることが幸せとなのだ、という価値観を植え付けるものであったのではないかな、という気がしています。
一方、幼稚園や小学校では、「みんな好きな人がいて当然である」「好きな人がいるなんてなんだか恥ずかしい」という、矛盾した空気がありました。
だから私は、「好き」をめぐる悩みや疑問があっても、誰にも打ち明けられませんでした。
そんな時に、自分の気持ちに寄り添ってくれ、自分を肯定する一助になってくれるもの――たとえば絵本――があったらよかったな、と今では思うのです。
恋愛を描いた名作絵本はこれまでにもあります。ただ、恋愛観や結婚観、ジェンダー観が変わりつつある今の世の中で、「好き」という素朴な感情を肯定しつつ、現代の感覚に響く恋の絵本があってもよいのではないか。そんな思いから、このシリーズは生まれました。
この人ならそんな話を書いてくれると信頼する作家陣、作家の世界観を豊かなイマジネーションで可視化してくれると確信する画家陣が、参加を表明してくれました。子どもたちの気持ちの傍らにいてくれるものであると同時に、大人にとっても、今も心の中にある痛みや切なさに響くもの、慰めや励まし、ときめきにつながるものが出来上がったと自負しています。ぜひ、ページをめくってみてください。
大人から子どもまで、そして大人になった自分からあの頃の自分へ送りたい、そんな「好き」に寄り添う「恋の絵本」を読んでみてください。