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  • 辻村深月『朝が来る』が河瀨直美監督・脚本で映画化 1人の息子と2人の母親をめぐるミステリードラマ 2020年公開予定

    2019年05月30日
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    ほんのひきだし編集部
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    辻村深月『朝が来る』 河瀨直美監督・脚本で映画化

    辻村深月さんの長編小説『朝が来る』が、河瀨直美さんによる監督・脚本で映画化されることが決定しました。

    『朝が来る』は2015年に単行本が刊行、2016年(第13回)本屋大賞で第5位を獲得したミステリー小説。長くつらい不妊治療の末に「特別養子縁組」という手段を選び子どもを迎え入れた夫婦と、中学生で妊娠し、断腸の思いで子どもを手放した幼い母親。1人の息子と“2人の母親”の物語が描かれています。

    朝が来る
    著者:辻村深月
    発売日:2018年09月
    発行所:文藝春秋
    価格:770円(税込)
    ISBNコード:9784167991333

     

    「『朝が来る』を誕生させた辻村深月の才能に嫉妬する」
    「脚本を読みながら、河瀨監督に何度も感謝を覚えた」

    『朝が来る』の映像化は2度目で、同作は2016年に安田成美さん主演でTVドラマ化。

    映画は4月16日(火)に都内でクランクインし、東京の湾岸エリア、栃木、奈良、広島、似島(広島市)、横浜と、国内6か所で撮影を敢行中。クランクアップは6月上旬予定で、映画は2020年公開予定となっています。

    河瀨直美監督のコメント
    撮影中、涙する場面に遭遇する時がある。
    それは、俳優達がその日常を生きて、脚本からもはみ出る感情を発露させた瞬間。
    こういった現場は自分にとっても稀だと実感している。とにかく俳優が素晴らしい。生きているのだ。息づいているのだ。

    日本全国6か所のロケ場所で撮影は決行されている。
    海があり、森があり、都市があり、旧所名跡があり、それぞれの街の特長が四季を通して旅の記録を「記憶」するように映画を創っている。

    生まれるはずのなかった命はやがて望んでも我が子を授からない夫婦の元にやって来る運命。
    そこに差し込む光、眩いばかりのそれが、雨上がりの世界を浄化させてゆく光景と相まって、人々の運命を切り開く物語。

    原作『朝が来る』をこの世界に誕生させた辻村深月の才能に嫉妬する。その物語を映画化できる喜びに打ち震えている。
    小説の中で、二人の母をつなぐ子供「朝斗」のまなざしが表現されている部分を読んだとき、ああ、この世界を映像化できれば素晴らしいなと感じた。その「まなざし」が見る未来を美しく描くことができればと願っている。

    誰しもが誰かの「子」であり、「母」から生まれてきた事実を思えば、この物語の根幹で心揺さぶられる感情があるだろう。
    そこには、この世界を美しいと想える、無垢な魂が見た、世界の始まりがある。

    辻村深月さんのコメント
    「この映画を撮るにあたって、朝斗のまなざしというものは必要不可欠だと思っています」
    河瀨直美監督と初めてお会いしたホテルのラウンジで、正面に立った監督が開口一番、私をまっすぐに見つめて、そう言った。
    まだ互いに自己紹介もしていない、目が合った瞬間のことだった。
    原作『朝が来る』はよく、産みの母親と育ての母親、「二人の母の物語」だと言われてきた。しかし、河瀨監督はそこに、幼い「朝斗」のまなざしなくしては成立しない世界をはっきり見ておられた。
    その瞬間、震えるような感謝とともに、この人に、朝斗と二人の母親を、『朝が来る』の世界を託したい、と強く思った。

    脚本を読みながら、河瀨監督に何度も感謝を覚えた。
    それは、彼らの物語を最初に生み出した私以上に、朝斗の、ひかりの、佐都子の、清和のことを考え、彼らの思いがより強く届くためにどうしたらよいのかを、心を砕いて考えてくれている人がいるということに対する途方もない感謝だ。作家として幸せを感じた。
    ラスト、「原作でもこうすればよかった」と思える構成がある。けれど私が小説で書いてもきっとその光景には届かなかった。映画だからこそ監督が彼らをここに送り届けてくれたのだということが、はっきりわかる。
    映画『朝が来る』。
    私が見たもの、河瀨監督がその先に見たもの、幼い子ども「朝斗」が見た世界を、できることなら、あなたにもぜひ見てほしい。

    なお河瀨直美監督は、『朝が来る』が昨年文庫化された際、巻末に解説文を寄せています。

    また出版元である文藝春秋の公式サイトでは、河瀨監督による書評を公開中です。

    〉関連リンク
    文藝春秋BOOKS「監督の目から見て、とても映画的だと感じられた小説の描かれ方とは。」

     

    映画「朝が来る」作品情報

    監督・脚本:河瀨直美
    共同脚本:高橋泉

    原作:辻村深月『朝が来る』(文春文庫)

    制作・配給:キノフィルムズ(木下グループ)

    ©『朝が来る』Film Partners




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