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  • 小説という、旅に出る。:文芸編集者が選ぶ「10連休読むならこれしかない!」vol.12

    2019年05月03日
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    ほんのひきだし編集部
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    史上初のゴールデンウィーク10連休。

    ほんのひきだしでは「10連休読むならこれしかない!」と題し、さまざまな出版社の文芸編集者に「10連休に読むなら?」というテーマでおすすめ本を選んでいただきました。

    今回本をご紹介いただくのは、講談社 第五事業局 文芸第二出版部の戸井武史さんです。

     

    小説という、旅に出る。

    今年は10連休。どこかに出かける方の鞄の中に、ご自宅でゆっくりされる方のお手元に、おすすめしたい一冊の本をご紹介します。宮内悠介さんの最新長篇小説、『偶然の聖地』です。

    偶然の聖地
    著者:宮内悠介
    発売日:2019年04月
    発行所:講談社
    価格:1,815円(税込)
    ISBNコード:9784065153345

    この作品の雑誌連載(月に5枚半でひとつのお話×50回)をお願いしたとき、宮内さんの頭には「検索にもかからない架空の山」「いつ現れるか消えるかもわからない山」というイメージがふと浮かび、同時に、その山=イシュクト山を目指す人々が立ち上がってきたそうです。

    SF、ミステリー、そして純文学。多彩なジャンルで高い評価を受ける宮内さんは、時間があると海外へと向かう旅人でもあります。その脳内から生み出されるリアルでもあり幻想的でもあるイメージが、この作品には満ちているのです。世界の不具合を治す「世界医」。時空がかかる病、「旅春」。「宇宙エレベーターを奏でる巨人」がいれば、「密室でミイラ化遺体が発見」されます。「カトマンズの日本食店のカツ丼の味」って、いったいどんな味なのか……。すこーしゆがんだ世界旅行を楽しんでください。

    『偶然の聖地』には、もうひとつ大きな特徴があります。連載時の本文に、宮内さんによる319個(!)の註が付いているのです。デザイナーの川名潤さんの夜なべ作業の甲斐もあって、本文を読んでいるとまるで美術館の音声ガイドのように、註がささやいてきます。宮内さんの註に「あるある」とうなずいたり、「なんだこりゃ」と笑ったり、「自分ならこう思うな」といつのまにか別の註を思いついていることでしょう。

    最後まで読み終えたとき、目の前には、あなたのイシュクト山が顕れているはず。さあ、みなさん、小説という旅に出ませんか?

    次回は【新潮社 編集委員 寺島哲也さん】のおすすめ本です!

    Vol.13を読む 》




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