'); }else{ document.write(''); } //-->
史上初のゴールデンウィーク10連休。
ほんのひきだしでは「10連休読むならこれしかない!」と題し、さまざまな出版社の文芸編集者に「10連休に読むなら?」というテーマでおすすめ本を選んでいただきました。
今回本をご紹介いただくのは、KADOKAWA 文芸局の服部圭子さんです。
アニメ映画化も発表された第12回本屋大賞受賞作『鹿の王』の主人公の一人、若き天才医術師ホッサルのその後を描いた上橋菜穂子さんの最新作です。
舞台は、感染症・黒狼熱大流行の危機が去った東乎瑠帝国。この国では国教である清心教の医術が、唯一正統な医療として認められていました。患者が最期に心を全うできるよう、神の教えに従い、治療を行いますが、宗教上禁じられている治療は許されていません。
一方で、ホッサルが行っているオタワル医療は、どんな方法を使っても、治そう、命を救おうとするもの。相いれない考えを持つ清心教医術とオタワル医術は、対立しつつもそれぞれの死生観のもと、治療はどうあるべきか、医術師たちの複雑な思いも浮かびあがってきます。そんな中、帝国では次期皇帝争いが勃発し、事態は混迷を深めるのですが――。
上橋菜穂子さんは『鹿の王』刊行直後、お母さまに大きな病気が見つかったそうです。お母さまの看護をされながら、医学の本を大量に読み、人の生死について考えられずにはいられなかったとおっしゃいます。だからでしょうか。この物語を読むと、自分の、そして身近な人々の命の在り方を思わずにはいられません。
政治と医療をめぐるドラマティックな物語であり、命の在り方を真摯に問う意欲作。今の上橋菜穂子さんだからこそ生まれた物語だと思います。
内容紹介
なによりも大切にせねばならぬ人の命。
その命を守る治療ができぬよう、政治という手が私を縛るのであれば、私は政治と戦わねばなりません。黒狼熱大流行の危機が去り、東乎瑠帝国では、次期皇帝争いが勃発。
様々な思惑が密かに蠢きはじめているとは知らず オタワルの天才医術師ホッサルは、祭司医・真那の招きに応じて、恋人ミラルとともに清心教医術の発祥の地・安房那領へと向かう。
ホッサルはそこで、清心教医術に秘められた驚くべき歴史を知るが、思いがけぬ成り行きで、次期皇帝争いに巻き込まれていき!?(KADOKAWA公式サイトより)
次回は【新潮社 集委員 寺島哲也さん】のおすすめ本です!