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中国発の小説のなかで、SFに劣らない存在感を放っているのがミステリーの分野です。
記憶に新しいところでは、香港の作家・陳浩基さんによる本格警察ミステリー『13・67』。社会問題や政治を絡めつつ、2013年から1967年へと時代を遡って進んでいく“逆年代記”形式で、1人の敏腕刑事の人生と活躍を描き出しています。
2017年末に発表された「このミステリーがすごい!」で第2位、「週刊文春ミステリーベスト10」「本格ミステリ・ベスト10」では第1位と、大変な高評価を得ている本作。「恋する惑星」「ブエノスアイレス」などで知られるウォン・カーウァイ監督が、映画化権を獲得したことでも話題になりました。
続いて、『13・67』とは趣をまったく異にしながら、先に挙げた年末ミステリーランキング3つすべてでトップ10入りを果たしたのが『元年春之祭』。2018年9月に発売された陸秋槎さんの小説で、なんと紀元前100年の前漢時代が舞台という異色作です。
経典や漢詩の引用が盛り込まれていることに加え、主役を張る2人の少女の愉快な会話劇が特徴。ちなみに日本の漫画・アニメの影響を受けているそうで、著者のTwitterアカウントを覗いてみると、アイコン・ヘッダーがともにアニメ「ラブライブ!」のキャラクターでした(2019年4月10日現在)。アイドルもお好きなのだそう。
ここまで、拙著「元年春之祭」が年末のランキングに全部ランクインした
このミステリが読みたい 5位
本格ミステリ・ベスト10 3位
週刊文春ミステリーベスト 6位
このミステリーがすごい 4位本当に思ったより認められた。自分の創作を導いてる日本ミステリーへの恩返しになればよかった。
— 陸秋槎 (@luqiucha) 2018年12月10日
このようなミステリー業界の潮流を捉え、早川書房刊行の「ミステリマガジン」2019年3月号では〈華文ミステリー特集〉が組まれています。
これをきっかけに、日本における華文ミステリーは一層の盛り上がりを見せそうです。