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4月12日(金)、映画「荒野にて」(原題:LEAN ON PETE)がヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国で順次公開されます。
本作は、長年連れ添った夫婦の絆が揺らぐ姿を描き、数々の賞を受賞した「さざなみ」など、深く繊細な人間ドラマで支持を得ているアンドリュー・ヘイ監督の最新作。
孤独な少年・チャーリーが、自分の居場所を探し求める姿を繊細に描いた作品です。
あらすじ
小さい頃に母が家出し、その日暮らしの父と二人暮らしのチャーリー。家計を助けるために老いた競走馬リーン・オン・ピートの世話を始めるが、ある日父が愛人の夫に殺されてしまう。15歳で天涯孤独になってしまった彼のもとに、追い打ちをかけるように届いたのは、試合に勝てなくなったピートの殺処分の決定通知だった。誰にも必要とされないピートの姿に自分を重ねたチャーリーは、一人馬を連れ、アメリカ北西部の広大な荒野に一歩を踏み出すが――。
主演は、主人公と同じ「チャーリー」という名をもつ若き期待の新星、チャーリー・プラマー。
本作で孤独とやるせない心の痛みを瑞々しく演じ、第74回ヴェネチア国際映画祭ではマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞しました。
さらにスティーヴ・ブシェミ、クロエ・セヴィニーら個性派俳優が脇を固めています。
「荒野にて」は、アメリカの作家 ウィリー・ヴローティンによる2010年の同名小説が原作。
当時から複数の映画会社が実写化に興味を示していたため、アンドリュー・ヘイ監督は、その時手がけていた作品の撮影が終わるやいなや、原作者のヴローティンに会いに行き、映画化の権利を獲得したのだそうです。
原作小説『荒野にて』は、3月6日(水)より邦訳版が早川書房より発売中。
しかしこの原作とあわせてぜひ押さえておきたいのが、『エデンの東』『怒りの葡萄』で知られるアメリカ文学の巨匠、ジョン・スタインベックです。
というのもウィリー・ヴローティンは『荒野にて』の執筆にあたり、ジョン・スタインベックの『チャーリーとの旅』という小説に影響を受けており、作中にもスタインベックの言葉が使用されているのです。
「確かに我々人間は弱く、病気にもかかり、醜く、堪え性のない生き物だ。
だが、本当にそれだけの存在であるとしたら、我々は何千年も前にこの地上から消えていただろう」
ヘイ監督はこの言葉を心に置き、主人公・チャーリーが苦難や挫折を経験しながらも、不屈の精神で前に進んでいくようすを描きました。
また原作での登場人物の描き方について、
「ヴローティンは一貫して登場人物を非難しない。主人公のチャーリーであれ、デルやボニー、放浪者のシルバーであれ、たとえ立派とはいえない行動に出たときも、決して批判しない。どのキャラクターも生きるのに必死で、そんな状況が行動に強く影響していることを常に意識している。優しさを必要とする人の心を、さまざまな角度から見つめているんだ。僕もそれにならい、脚本を執筆する際はキャラクターとその行動に対して、人間味のあるアプローチを心掛けた」
と語っており、映画化に際して2人だったキャラクターを1人の人物に統合するなど変更は加えたものの、原作への敬意を払う心は失わなかったことを明かしています。
北米では、今最も勢いがある気鋭スタジオ「A24」が配給したことでも話題の本作。
全国公開は4月12日(金)ですが、現在ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで開催されている「未体験ゾーンの映画たち2019」での特別先行上映が決定しています。
映画「荒野にて」※原題:LEAN ON PETE
監督:アンドリュー・ヘイ(「さざなみ」)
出演:チャーリー・プラマー(「ゲティ家の身代金」)、スティーヴ・ブシェミ、クロエ・セヴィニー、トラヴィス・フィメル
配給:ギャガ2019年4月12日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか 全国順次ロードショー
2017/イギリス/カラー/ビスタ/5.1chデジタル/122分/字幕翻訳:栗原とみ子
© The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2017