'); }else{ document.write(''); } //-->
2月15日(金)、2018年度の「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本」が発表されました。
本屋さんとも、地域の図書館とも異なる“学校図書館”という場所。
教育において重要な存在ではありますが、現在高校生の不読率は50~60%と特に高い水準にあります(小学生は4%、中学生は15%程度)。
また、中学から高校へ進学して「すべきこと・したいこと」が増えるのに伴い、読書が苦手だった子どもがますます本から遠ざかるだけでなく、それまでは読書好きだった子どもも「時間がなくなった」「読書の優先順位が下がった」などの理由で本を読む機会が少なくなっているそうです。
※全国学校図書館協議会・毎日新聞社文部科学省による「第64回学校読書調査」、および「子供の読書活動推進に関する有識者会議」資料より。
「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本」は、埼玉県内にある県立高校の図書館司書が、1年間に刊行された本から「司書として高校生に読んでほしい本」を投票で選ぶというもの。2011年にスタートし、今年で9回目を迎えました。
今回最も多くの“おすすめ”を獲得して第1位に輝いたのは、SNSでも話題になった『リアルサイズ古生物図鑑 古生代編』。
ランキングは第10位まで発表されており、高校生が主人公の作品や、「難しそう……」と敬遠しがちな世界をユニークに描いたものなど、高校図書館ならではのラインアップになっています。
選んだ司書の方の推薦コメントとともに見ていきましょう。
知識としてクジラは大きいと知ってはいても、実際に見ないと実感はできないものですよね。まして、もう絶滅した動物なら、なおさらです。そんな古代の生き物たちの「サイズ感」を上手に伝えてくれるのが、この本です。思ったより小さかったり、逆に大きかったり、めくっているだけでも楽しい一冊です。
古生物が日常の中に紛れ込んでいるので、実際のサイズがよく分かる。どこにいるのか探すのも楽しい。手に取った生徒はみんな笑いながらページをめくっていた。
他のどの図鑑よりもわかりやすい! 今まで想像するだけだった古生物も、この図鑑なら一目瞭然。原寸大のCGを、現代の写真の中に紛れ込ませたアイデアは秀逸。続巻をぜひ期待したい。
両親の離婚・再婚で、父親が3人、母親が2人いる17歳の優子。一見過酷に見えるこの環境だが、彼女は「全然不幸ではないのだ。」優子の親たちの優しくも不器用な人柄がなんとも素晴らしい。ファンタジーかもしれないが、人と人の繋がりはこうあってほしいと願いたくなる、暖かさに満ちた作品だ。
家族って何? 最後の場面にすべてが込められているように思います。
障害は、人ではなく社会にある。最近よく目にする考え方ですが、こんな伝えかたがあったのか!と目からウロコが落ちました。障害について学ぶなら、まず勧めたい一冊です。
「障害は個性だ」という言葉をストンと理解させてくれる本。いや、障害だけでなく、「人と違って大変そう」と安直に感じることにもブレーキをかけてくれる。
これらを描いた高校生たちの熱い思いが感じられる1冊。埼玉県の高校が大活躍しているのも良い。
学校で毎日向きあってるあの黒板。これがなんとすばらしい芸術に大変身。まさに錬金術のなせる技。そう、高校生アートの傑作労作集。チョークと黒板が織りなす美しさに驚きと感動が待ってます。本当にこれがすごいんです。大宮光陵高校の最優秀受賞も載ってます。
時間を忘れて夢中になれるものがある人は魅力的で、強いです。愛すべき「オタク」たちがたくさん登場する小説です。
タイトルとは裏腹に、この小説には「愛」が溢れている! 植物への愛にまみれた研究者たちも、その研究者の1人である本村さんに恋する料理人藤丸君もとても魅力的。「愛ってなに?」と考えるきっかけになるかも。
・第6位『AI vs.教科書が読めない子どもたち』(新井紀子/東洋経済新報社)
・第7位『風に恋う』(額賀澪/文藝春秋)
・第8位『青少年のための小説入門』(久保寺健彦/集英社)
・第9位『54字の物語 意味がわかるとゾクゾクする超短編小説』(作:氏田雄介、絵:佐藤おどり/PHP研究所)
・第10位『ブロードキャスト』(湊かなえ/KADOKAWA)
「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本」は、選んだ司書の皆さんが勤める県立高校の図書館だけでなく、県内の書店57書店の店頭にも並びます。
また「埼玉県高校図書館フェスティバル」公式サイトでは、推薦コメントや受賞した著者の方々のコメント、第1位を獲得した『リアルサイズ古生物図鑑 古生代編』の著者・土屋健さんのインタビュー記事も公開中です。
〉「埼玉県高校図書館フェスティバル」公式サイト
http://shelf2011.net/