'); }else{ document.write(''); } //-->
『老後の資金がありません』や『夫の墓には入りません』など、老後や高齢化、婚姻制度といった問題や不安に、勇気とヒントを与えてくれる小説が人気の垣谷美雨さん。
そんな垣谷さんの新刊『姑の遺品整理は、迷惑です』が、2月22日(金)に発売されました。
誰にでも降りかかる「遺品整理」という問題を通して、さまざまなことを考えさせられる本作。その読みどころについて、編集を担当した双葉社文芸出版部の平野優佳さんに文章を寄せていただきました。
独り暮らしの姑が亡くなり、住んでいたマンションを処分することに。嫁の望登子は、業者に頼むと高くつくからと、なんとか自分で遺品整理をしようとしますが、あまりの物の多さに立ちすくむばかり。
「安物買いの銭失い」だった姑を恨めしく思いながら、仕方なく片づけを始めますが、捨てても捨てても終わりが見えてきません。夫も手伝うようになりましたが、さすが親子。彼も物を捨てられないタイプで、望登子の負担は増えるばかりです。
しかし終わってみれば、いままで苦手だと思っていたガサツでお節介な姑の、意外な一面を知ることになります。それと同時に、文句のつけようもない終活をして亡くなった、姑とは正反対の自分の母親の別の一面も発見することに──。
昨年『老後の資金がありません』が大ベストセラーとなった垣谷美雨さん。これまでも、汚部屋、少子化、禁煙、高齢出産、年金、終活など、誰もが直面する社会問題をテーマに作品を書いてきました。
どれも深刻な問題にも拘わらず、独特なユーモアとペーソス溢れる文体で、幅広い層の読者を獲得しつづけています。
この作品を読むと、いつ突然死を迎えても良いように、常に部屋を整理しておきたいと考えるようになるかもしれません。なぜなら、部屋を見れば、その人の人生、生き方がすべてわかってしまいますから。
*
双葉社 文芸出版部 平野優佳