• fluct

  • 完売続出!話題の「幼稚園」企業コラボ付録 誕生秘話

    2019年02月11日
    楽しむ
    日販 ほんのひきだし編集部「日販通信」担当
    Pocket

    くら寿司とコラボレーションした回転寿司ゲームを皮切りに、「ガシャポン」「メダル落としゲーム」など、大人をも虜にする本格的な組み立て付録でたびたび話題になっている学習雑誌「幼稚園」

    今回はこれら“企業コラボ付録”の誕生秘話を、同誌編集長の村上孝雄さんに寄稿していただきました。

    不況が叫ばれて久しい雑誌界の未来が垣間見えるコラムです。

     

    【編集長雑記】大人も買ってる?企業コラボふろく

    「つめが50以上あるし、作るのくそ面倒だけど、これとてもいい!」

    「幼稚園」2018年10月号ふろく「ガシャポン」に対する、とある読者さんのツイートです。8万以上のいいね!が付き、いわゆる「バズり」が発生しました。「幼稚園」がバズるなんて、編集部としても初の経験です。

    メディアから取材を受け、記事が一時Yahoo!トップに。これが決定打となり、10月号は発売1週間で完売しました。定価940円なのに、ネット上では2,000円以上で転売も。

    このふろく、要は「紙で作るガシャポン筐体」で、幼児誌では何度も付けている定番ふろくです。

    今回新しかったのは、バンダイのガシャポン筐体そっくりに作ったこと。これまでは、お子さんにウケそうなデザインを編集部が考えて、オリジナルで作っていましたが、「なじみのあるデザインを、まんまお借りしたほうが良くない?」と思い。

    「外で見るものが、手元にある」のは、なぜかうれしくないですか? 郵便ポスト型の貯金箱とか。あと、スケールダウンしたものも、うれしいですよね。ファミコンミニとか。このへんの感覚が、お子さんのみならず、大人のホビー好き層にも刺さって、バズりにつながったのかなと。

    バンダイとコラボした2018年10月号付録「ガシャポン」。本物そっくり!

    「企業コラボふろく」にシフトしたのは、9月号「かいてんずし つかみゲーム」から。それまでは、売上で苦戦が続いていました。なにより人気キャラがいないのが苦しくて。幼児誌では「ふろく=キャラを乗せる」が定石なもので。同じ小学館の幼児誌「ベビーブック」「めばえ」にはアンパンマンがいますが、「幼稚園」にはいません。

    そんなある日、くら寿司へ行きました。ふと周りの家族連れを見ると、お子さんが大興奮しています。タッチパネルで親の注文を入力し、到着したお寿司をわれ先にと取る。食べ終わったお皿を5枚入れて挑戦する「ビッくらポン!」に一喜一憂。これはもう、TDRやUSJ並みのエンタテインメントだと。

    「この一連が家で出来たら楽しいだろうな~」と思い、ふろく化を決意しました。きっかけをくれたくら寿司さんには、そのネームバリューをお借りしたく、協力を打診。モーターで回るお寿司の白ダミーを見せたら、大爆笑でご快諾いただきました。

    モーターで回るお寿司の白ダミー

    くら寿司とのコラボにより完成した「かいてんずし つかみゲーム」

    そんな9月号から売上が復調。ネット上でも「回転が早すぎてつかめない!」と話題になり、10月号「ガシャポン」で爆発した感じです。くら寿司、バンダイなど、お子さんに身近な企業をキャラクターと解釈することで、人気キャラ不在問題を乗り切ることにしました。

    11月号ふろくはピザーラさんとコラボした、「どっかん!!ピザづくりパズル」。30秒以内に正しくピザを作らないと、ピザがバラバラになるというものです。

    本誌では「たくはいピザやさんのおしごと」と題した特集ページを設けています。注文を受けてから、ピザが配達されるまでの密着ルポです。これまでも、お仕事紹介や工場見学のページは人気がありましたが、ふろくと連動することで、より興味を持って読んでもらえるようになりました。

    1月号は明治さんコラボ「ぐるぐる!おかしすくい」、2月号はセガさんコラボ「メダルおとしゲーム」と、企業コラボふろくが続きます。詳しくは伏せますが、お金もいただいています。

    また、弊社広告局から「○○会社さんでふろく考えて~」とお題をもらう機会も。実際にこのパターンで、ふろくへ広告を出していただいたケースも。

    これまで、雑誌広告といえばタイアップページが主流でしたが、「幼稚園」では「ページ&組み立てふろく」という、他媒体にはできない立体的な組合せが可能。

    新しいビジネスモデル、というのは言い過ぎですが、そんな志です。

    SEGAコラボ「メダルおとしゲーム」の2月号も超人気で既に完売!


    小学館「幼稚園」編集長
    村上孝雄―MURAKAMI TaKao
    ◆1967年宮城県出身。1993年小学館入社。「コロコロコミック」「てれびくん」編集長を経て、2017年から「幼稚園」編集長、兼チーフプロデューサー。


    「幼稚園」
    保育園・幼稚園児向けの学習雑誌。工場見学などの知育記事、人気キャラのエンタメ記事を収録。さらに豪華な組み立てふろく付き。3月号(1月31日発売)のふろくは企業コラボ第6弾、ランドセルの老舗メーカー「セイバン」とコラボした「ランドセルめくり」。好きなランドセルを2つめくって中身が揃えばゲット!の神経衰弱ゲームです。ランドセルは「セイバン」の『天使のはね』シリーズ、中身も「ショウワノート」の消しゴムやノートなど、本物デザインで超リアル。遊びながら小学1年生気分が味わえます。

    幼稚園 2019年 03月号
    著者:
    発売日:2019年01月31日
    発行所:小学館
    価格:978円(税込)
    JANコード:4910010090396

    (「日販通信」2019年2月号「編集長雑記」より転載)




    タグ
    Pocket

  • GoogleAd:SP記事下

  • GoogleAd:007

  • ページの先頭に戻る