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11月15日(木)に、朝井リョウさんによる『世にも奇妙な君物語』の文庫版が発売されました。
本作は、オムニバスドラマ「世にも奇妙な物語」の大ファンだという朝井さんが、いつか番組で映像化されることを夢見て書き下ろした短編集。
怖い話や不気味な話、はたまたコミカルな話などそれぞれ違ったテイストの短編が収録されており、まさに「世にも奇妙な物語」を意識した構成になっていることが特徴です。
今回は、そのなかから第1話の「シェアハウさない」をご紹介します。
本作の主人公はフリーライターの浩子。ある日、居酒屋で一人泥酔しているところを、偶然居合わせた客の真須美に助けられます。
目が覚めると、そこは年齢も仕事もバラバラな男女が住むシェアハウスでした。なかには一人暮らしをする余裕がある人も。
「なぜ、あえてシェアハウスに住むのか?」――もともと仕事でシェアハウスの記事を書こうとしていた浩子は、これを絶好の機会として捉え、潜入してネタを集めようと目論みます。
ところが住民と交流を深めていくなかで、浩子はある違和感を覚えるようになり……。
現在、都市部に住む若者を中心に定着した「シェアハウス」という居住スタイル。わいわいと楽しそうなイメージを抱きがちですが、本作ではそのイメージを裏切る結末が用意されています。
浩子が覚えた違和感とは、そしてそのシェアハウスに隠された秘密とは? ぜひ本書を読んで確認してみてくださいね。
ほかには、奇妙な法律が制定された未来を舞台とした「リア充裁判」、保護者からのクレームに葛藤する保育士を描いた「立て! 金次郎」、ネットニュースを題材とした「13.5文字しか集中して読めな」、それまでの話がすべて集約される「脇役バトルロワイアル」の全5編を収録。
「世にも奇妙な物語」のテイストに沿っているだけでなく、現代特有の問題を取り上げており、朝井さんならではの鋭い視点を楽しめる物語ばかり。秋の夜長におすすめの一冊です。
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