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昨年、14歳の誕生日に発売されたデビュー作『さよなら、田中さん』が10万部を超えるベストセラーとなり、注目を集めている“現役中学生作家”の鈴木るりかさん。
10月17日(水)に発売された第2作『14歳、明日の時間割』は、「体育」「国語」といった各教科や昼休み、放課後など、時間割に見立てた7編が並ぶ連作短編集です。
小学館主催の「12歳の文学賞」で3年連続大賞を受賞し、デビュー前からその筆力は折り紙つきの鈴木さん。今作では、担当編集者からある「大人目線」の宿題を出されたそうです。
今回は注目作家の横顔とともに、宿題を出した張本人である小学館出版局 片江佳葉子さんに、本作の魅力と“宿題”の内容について文章を寄せていただきました。
14歳の誕生日に刊行したデビュー作『さよなら、田中さん』が10万部を超すベストセラー。あさのあつこ氏、西原理恵子氏、俵万智氏、道尾秀介氏、乃木坂46の高山一実氏等、文学界・芸能界から絶賛の声多数……。
どんな言葉を駆使しても、彼女の才能を表現しきれない。担当編集として言いたいのは、ただ一つ。「是非、読んでみてください。読めば、わかります」
リズムのいい文章、きわめてリアリティのある人物造形、類い希なる笑いのセンス、そしてなぜか漂う温かい昭和感……。世の中に泣かせる小説は数あれど、こんなに笑わせてくれ、楽しい気分にさせてくれる小説はないのではないか。
デビュー作で注目を集め、続編希望の声が多い中、彼女は自分で「これだけ、と思われたくないので全く新しい小説を書きたいです」と取り組みはじめた。
スポーツ庁の「運動嫌いの子供を現在より半減させる」という政策目標のニュースを耳にして、まず思い立って執筆したのが、今作の核ともなる「体育」の章。そこから、彼女にしかできない時間割仕立ての小説に、と提案し、「家庭科」、「数学」、「昼休み」……ぽつりぽつりと原稿が届いた。
彼女はプロットを一切書かない。
とにかく書くことが楽しくて楽しくて仕方がない。
その気持ちを最大限持ち続けて執筆してもらおう、というのが編集者の最大のミッションかもしれない。
「国語」のときは、こんなこともあった。ある日、メールが来た。
「『国語』なんですが、今日、学校に行く途中に降ってきました! 絶対こっちの方が面白いので、一から書き直します!」
ほぼできあがっていた原稿をすべて捨て、一からノリノリで書き上げたのが、半分私小説とも言える「国語」の章。彼女の一番のお気に入りだ。
そうやって完成に近づいた頃。今度は私から、高いハードルの宿題を提案してしまった。「大人はいつまで夢を抱えていていいのだろう。るりかちゃんの答えを教えて欲しい。切ない大人目線の章があると良いと思う」。戸惑ったに違いない。でも、見事に応えてくれた。
この最終章「放課後」もだが、読んでいると、目からウロコ、ハッとさせられ、驚かされ、大笑いし、ときにホロッと泣かされる。なぜ、ここまで心に響くのだろう。しかも、子供から大人まで。老若男女、全員を虜にしてしまう。
『14歳、明日の時間割』。14歳の彼女が全身全霊を込めて取り組んだ一冊。
是非、言葉にできないこの魅力を味わっていただきたい。
*
小学館 出版局 片江佳葉子
『14歳、明日の時間割』の装画は矢部太郎さんが担当。編集担当の片江さんは、鈴木さんと矢部さんの共通点を「人間くさいところ、ピュアなところ、一見笑わせるけど人間の本質を突いているところ」といいます。
そんな2人の本作でのコラボレーションを記念して、抽選で100名に矢部太郎さんによるオリジナルイラストシールがプレゼントされます。本書を読んで、書籍に挟み込んである愛読者はがきで感想を送ると、抽選で100名にシールが当たります。詳細は、小学館の特設サイトでご確認ください。
【実施期間】2019年1月31日(木)締切(当日消印有効)
【当選発表】2019年2月下旬
〉特設サイト https://www.shogakukan.co.jp/pr/rurika/