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生き物や宇宙、サッカーやPTA問題、少年少女ものなどフィクション、ノンフィクションを問わず、さまざまなジャンルで作品を発表している川端裕人さん。「資料や調べ物が必要なときはネット環境が整った、スペースに余裕のある場所でやるけれど、ストーリーを動かすことだけを考えて小説を書くようなときには、むしろ不自由な環境のほうがいい」と、喫茶店で執筆することも多い。よく利用するこの場所は、ケーキ屋さんの奥まった一角にある隠れ家的な空間だ。
最新刊『天空の約束』は、天気を予知することができる“空の一族”に連なる人々を描いた気象エンタテインメント。住まいとその周辺の“ミクロな気候”である微気候の研究家や、雲を操る芸術家、戦時中にその特異な力のために人生を翻弄された一族の子どもたち……。与えられた力とそれぞれの場所で生きる人々のエピソードがつながるとき、一族の歴史とともに壮大な世界が見えてくる。空を見上げ、胸いっぱいに空気を吸い込みたくなる、知的好奇心も大満足のファンタジーだ。
電車内でも執筆するなど、外でも「集中する技が身に付いてきました」。「電車の中は、ほかにやることがないからスイッチが入りやすい。環境を変えたくなったら、各駅停車で仕事をしながら終点まで行って、蕎麦を食べて帰ってくることもあります」。10月にメルマガ「秘密基地からハッシン!」を創刊。今後は関心の赴くまま、自作の工房として既存メディアでは難しいことも編集者を巻き込んで発信していく。『天空の約束』の1章も特別公開した。
「四六時中持っているカメラ」は玄人好みのリコー「GR」。1日でバッテリーがなくなるほど撮ることも。「ポケットにコインと一緒に入れたりするので、所々塗装が剥げた“コインウォッシュ”になっています(笑)」
川端裕人 Hiroto Kawabata
1964年兵庫県生まれ、千葉県育ち。東京大学教養学部卒業。日本テレビ入社後、科学技術庁や気象庁担当記者を経て1997年退社。『天空の約束』の姉妹編である『雲の王』、『今ここにいるぼくらは』『銀河のワールドカップ』『「研究室」に行ってみた。』など著書多数。今後は『宇宙のはじまり、そして終わり』(日経プレミア新書・12月刊)、『声のお仕事』(文藝春秋・2016年2月刊)が発売予定。