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WBCで「侍ジャパン」を世界一に導いた栗山監督の「野球ノート」がつくった人生観【総合3.8】

 

栗山ノート
著者:栗山英樹
発売日:2019年10月
発行所:光文社
価格:1,430円(税込)
ISBN:9784334951177

 

『栗山ノート』の要点

1.栗山英樹は小学生の頃から「野球ノート」をつけている。野球ノートには、その日の出来事や振り返りのほか、古典から抜き出した言葉で埋め尽くされている。

2.誠を尽くせば、人の心は必ず動く。私心を忘れて、他者と誠実に向き合うことが大切だ。

3.一目置かれる選手は環境や周りの声に左右されず、自分の道をひたむきに進んでいる。一時的に疎まれることがあっても、自分を磨き続けていれば応援してくれる人は必ず現れる。

4.感動は、目標に向かって頑張る推進力となる。

 

『栗山ノート』レビュー

2023年3月に開催されたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)。日本はアメリカとの決戦で勝利し、3大会ぶりに王座を奪還した。大谷翔平、ダルビッシュ有、村上宗隆、佐々木朗希など、スター選手が揃った“侍ジャパン”の活躍に、日本中が大いに沸いた。

このチームを率いたのが、本書の著者・栗山英樹氏である。栗山氏の見事な采配は絶賛され、“稀代の名将”として名を馳せるようになった。

しかし、栗山氏の野球人生は決して順風満帆ではない。大学卒業後、ドラフト外のテスト生としてヤクルトスワローズに入団。なんとか1軍に上がったものの、突然の病気や怪我に泣かされ、わずか7年でユニフォームを脱ぐこととなった。その後はスポーツキャスターとして活動し、2012年、北海道日本ハムファイターズの監督に就任。指導経験のない栗山氏の起用に批判も相次いだが、就任1年目、ファイターズはパ・リーグで優勝。16年には日本一に輝いた。

野球人として目立った実績や経験のない栗山氏を支えたのは、「野球ノート」である。小学生のときからつけている野球ノートには、その日の気づきや反省のほか、古今東西の古典から引用した言葉が書き連ねられている。時を経て読み継がれる古典には、普遍の真理が詰まっている。苦しいとき、悩んだとき、著者は古典の言葉を何度も写しては読み返し、自身の成長につなげていった。

本書はこの野球ノートを軸にして、栗山氏の人生観をまとめた一冊である。名将をつくった言葉の数々は、きっとあなたの心に響くはずだ。

 

『栗山ノート』が気になる方におすすめ

7つの習慣という人生 クレッシェンド 本当の挑戦はこの先にある
著者:スティーブン・R・コヴィー
発売日:2023年3月
発行所:FCEパブリッシング(キングベアー出版)
価格:3,300円(税込)
ISBN:9784863941069