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第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞「パルムドール」を獲得した、現在公開中の映画「万引き家族」。公開の少し前、5月28日(月)には、是枝裕和監督自らが書き下ろした“小説版”が刊行されました。
5刷・14万部を突破し、現在世界8か国以上での発売が決定しているという小説版『万引き家族』。
いわゆる“原作もの”の場合や、映画ノベライズが発売されているとき、「観てから読むか? 読んでから観るか?」という話題は必ずといっていいほど持ち上がりますが、本作に限っては是枝監督自身が「映画のあとに読むのがベスト」とはっきり発言しているそうです。
今回はその理由をご紹介します。
小説版『万引き家族』には、登場人物の過去や背景、それぞれの感情など、映画では描ききれなかった部分もひとつひとつ丁寧に書かれています。
劇中の“声にならなかった声”を想像し、彼らの心情や作品に込められたメッセージについて考えるのも映画鑑賞の醍醐味。そのため小説版を先に読むと、「すべてわかった状態」で映画を観ることになってしまうのです。
映画にはなく、小説版にだけ描かれている内容はいくつかあります。
たとえば……
家族全員で海に出かけた際、砂浜に敷いたシートの上で祖母・初枝(演:樹木希林)が一人で小さくつぶやいた言葉は「◯◯◯◯◯◯」
※映画では音声がありませんが、小説ではつぶやいたセリフが明らかになっています。
映画終盤。治(演:リリー・フランキー)がバスに乗った祥太(演:城桧吏)を見送るシーン。祥太がバスの中で言った言葉は「◯◯◯◯◯◯」
※こちらでも同様に、祥太のつぶやいたセリフが小説で明らかになっています。
治の妻・信代(演:安藤サクラ)は、最初はスナックの店員と客として治に出会う。2人はそれから10年以上の月日をともにしている。また信代は、母親から「産まなきゃよかった」と言われた過去がある。
※映画では、信代の過去についてはほとんど描かれていません。
亜紀(演:松岡茉優)は、家族との間に確執がある。
※映画では、亜紀の過去についてもほとんど描かれていません。
小説版『万引き家族』の表紙をめくったところにある扉(別丁扉)は、ほかのページとは異なる手触りをしています。
縦に筋の入った、茶色の扉。これは劇中で治と祥太が買う“あるもの”の紙袋を表現したものです。映画を観た方なら“あるもの”が何か、わかるのではないでしょうか。
それともう一つ、『万引き家族』の表紙には色とりどりのビー玉が6つ描かれています。
これは治、信代、亜紀、祥太、りん、初枝の6人を表したもの。各章の扉では、ストーリーに沿ってこのビー玉が増減しています。
映画を一度観た方は、この扉を観ただけで胸がいっぱいになるかもしれません。
小説版『万引き家族』の“秘密”はいかがでしたか?
すでに映画を観た方も、小説を読んで真相を知ったらきっともう一度映画を観たくなるはず。
普通じゃない成り立ちで「家族」として暮らす6人の物語、ぜひ映画も小説も楽しんでみてください。
とある住宅街。柴田治と息子の祥太は、スーパーや駄菓子店で日々万引きをして生計をたてていた。ある日、治はゆりという少女が家から閉め出されているのを見かねて連れて帰ってくる。驚く妻の信代だったが、少女の家庭事情を案じ、一緒に「家族」として暮らすことに。年金で細々と生きる祖母の初枝、JK見学店で働く信代の妹・亜紀。6人家族として幸せに暮らしていたが、ある出来事を境に、彼らの抱える「秘密」が明らかになっていく――。
リリー・フランキー 安藤サクラ
松岡茉優 池松壮亮 城桧吏 佐々木みゆ
緒形直人 森口瑤子 山田裕貴 片山萌美 / 柄本明
高良健吾 池脇千鶴 / 樹木希林
監督・脚本・編集:是枝裕和
音楽:細野晴臣(ビクターエンタテインメント)
製作:フジテレビジョン、ギャガ、AOI Pro.
制作プロダクション:AOI Pro.
配給:ギャガ
http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/
©2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.