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  • 東大・京大・慶應・早稲田のミステリ研が対抗「ミステリ・ビブリオ!」取材レポート

    2018年09月02日
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    ほんのひきだし編集部
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    続編の刊行予定がシリーズ最大の謎?

    続いて登壇したのは、慶應義塾大学推理小説同好会の土谷さん。課題図書は、『アンデッドガール・マーダーファルス 2』です。

    アンデッドガール・マーダーファルス 2
    著者:青崎有吾
    発売日:2016年10月
    発行所:講談社
    価格:825円(税込)
    ISBNコード:9784062940306

    冒頭で本作を「怪物たちによる宝石争奪戦を描いた作品」と端的に表現し、「輪堂鴉夜と真打津軽だけでなく、シャーロック・ホームズ、アルセーヌ・ルパン、そして未読の方のために伏せますが“あの作品のアレ”なんかも登場します。誰もが少なくとも名前は知っているであろう有名キャラクターですが、オリジナルがもつ魅力に青崎有吾先生の新解釈も入っており、ミステリ好きからそうでない人まで楽しめる作品です」と紹介。

    また個性豊かな登場人物が異種格闘戦を繰り広げることから、本作を4冊ある課題図書のなかで「最も本格ミステリからかけ離れた作品である」としつつも、「あえて本格ミステリファンにプッシュしたい」と宣言しました。

    「複数の勢力が共闘・離反しながら死闘を繰り広げる物語ではありますが、本作の最大の魅力は、326ページという少ないページ数に込められた異常な数の謎です」

    「物語は『宝石“最後から2番目の夜”および保管用金庫を頂戴します』というルパンの予告状から始まります。まず、ルパンはどうやって宝石を盗み出すのか。さらに、ルパンを迎え撃つホームズと輪堂鴉夜は、共闘せず別々に作戦を練ります。つまり『どちらがルパンを破るのか』。ルパンとの1対2の戦いの影に、鴉夜とホームズの1対1の対決があるのです。その後これにロイズ保険機構や“教授”一派が加わり、状況は目まぐるしく変わっていきます」

    「物語の謎はそれだけではありません。今回標的になった『最後から2番目の夜』とはどんな宝石なのか。そしてシリーズ最大の謎である〈輪堂鴉夜と真打津軽の正体〉に触れられたところで、『アンデッドガール・マーダーファルス 2』の幕が閉じられます」

    持ち時間をたっぷり使い、体系だてて作品の魅力を紹介したプレゼン。いよいよ最後の締めに入ろうというところで、話は意外な(?)方向に転換しました。

    「……それで、本の最後に『第五章 人狼』と予告が載っているんですが、発売から2年が経とうとしている今、まだ続刊が出ていないんです」(※『アンデッドガール・マーダーファルス 2』には「第三章 怪盗と探偵」「第四章 夜宴」が収録)

    これには会場全体が爆笑。審査員のときわ書房本店 宇田川さんも「誰もが聞きたかったことだと思います(笑)」とコメントしました。

    また編集担当者である河北編集長は「続刊の話になると何と言っていいかわからない」と苦笑しながら、「土谷さんがおっしゃったとおり『アンデッドガール・マーダーファルス 2』は、4冊のなかで一番本格ミステリ的ではないと思われがちです。私も青崎さんからプロットをいただいたときにも、これが1冊の本で完結するはずがない、登場人物を減らそうと提案したんですよ」「でも青崎さんは、『なんとかなります』『ミステリとしても面白くなると思います』とおっしゃったんですよね。そういう作品がミステリ研究会の方に届いていることが、何よりも嬉しいです」と感想を述べました。

    なお、『アンデッドガール・マーダーファルス』の新刊(第3巻)については、
    青崎さんから「今冬発売の予定で鋭意執筆中である」と、第2部として行われた知念さんとの対談の中でコメントされています。

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