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  • 東大・京大・慶應・早稲田のミステリ研が対抗「ミステリ・ビブリオ!」取材レポート

    2018年09月02日
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    ほんのひきだし編集部
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    登場時から会場をどよめかせた“仮面の3人組”

    「それでは、始めさせていただきます」という明るい声で始まったプレゼン。しかし声の主は白い仮面をつけていて、なんだかただならぬ雰囲気が漂っています。その隣にも、また異なるお面をつけた男性が2人……。

    「被害者も容疑者も不死身の吸血鬼である殺人事件。はたまた、人造人間を研究していたマッド・サイエンティストの密室殺人事件。こんな言葉を聞いたら、小説偏愛者の皆さんはドキドキするのではないでしょうか」

    1番手の東大「新月お茶の会」が紹介したのは、青崎有吾さんによる『アンデッドガール・マーダーファルス 1』。異形うごめく“もう一つの19世紀末のヨーロッパ”を舞台に、怪物事件専門の探偵・輪堂鴉夜(りんどう あや)と、常に鳥籠を持っている「鳥籠使い」こと真打津軽(しんうち つがる)が推理を繰り広げるミステリ小説です。

    アンデッドガール・マーダーファルス 1
    著者:青崎有吾
    発売日:2015年12月
    発行所:講談社
    価格:792円(税込)
    ISBNコード:9784062940092

    「ここで皆さんに質問です。彼が持っている鳥籠、何が入っていると思いますか?」

    白い布を被せた鳥籠を掲げる男性。実はこの鳥籠には、作品のメインキャラクターである“探偵”が入っているのです(人間が入れる大きさでないのは明らかですが、その真相は本書にて!)。この問いかけに心をつかまれ、観客はプレゼンにすっかり引き込まれていました。

    『アンデッドガール・マーダーファルス』は、強烈な個性をもつキャラクターたちと、ニヤリとさせられる洒落のきいた会話劇、“怪物”の特性を活かしたトリックやロジックが見どころ。「新月お茶の会」の3名はそれを5分間にしっかり詰め込んで、正攻法のプレゼンテーションを行ないました。

    審査員をつとめたミステリ評論家の千街晶之さんは、「情報量が多いなかできちんとまとめられていて、非常に聴き応えがあった」「青崎さんもドクロのお面をつけてイベントに出演されることがあるので、そのあたりも青崎さんの本の紹介らしいなと思いました」とコメント。

    これに対して出場メンバーは「伏線と設定が張り巡らされた作品。あまり説明しすぎるとミステリ好きの方が嗅ぎつけてしまうのではと思い、作品の魅力を損なわないような情報の出し方に苦労しました」と振り返りました。

    このコメントにもあるように、ミステリ小説のプレゼンは“ネタバレせずにいかに魅力を伝えるか”がポイントとなります。これに続く3大学も、それぞれの方法で魅力的に作品を紹介していました。

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