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7月2日(月)、ウィンブルドン選手権(全英オープンテニス)が開幕します。
テニスの世界4大大会の中でも最高峰と言われるウィンブルドン。テレビ中継が楽しみ!というテニスファンの方もたくさんいらっしゃることでしょう。
一方で、テニスはそれほどよく知らないという方も多いと思います。
そこで今回は、“超初心者”でも試合観戦が楽しくなるテニスの魅力を、雑誌「テニスマガジン」の青木和子編集長に教えていただきました。「テニスの基礎知識」から「テニスの本質にかかわるスピリット」まで、まずはこれを読んでおけばばっちりです!
みなさんはテニスをプレーしますか? 観戦しますか? 少し興味があるという方、いつかやってみたいと思っていた方へ。この機会に私たち「テニスマガジン(通称テニマガ)」が、一人でも多くの方に実際にテニスに触れていただけるように、テニスの楽しさを「全力」で紹介したいと思います。
テニスはポイント→ゲーム→セットを積み重ねて勝敗が決まります。多くはトーナメントです。対戦相手とは、ネットを挟んで交互にラケットでボールを打ちます。ボールはコートのライン内にコントロールし、ライン上までが「イン(グッド)」、ライン外に落ちれば「アウト」です。
試合(ゲーム)時間は決まっていません。何十分の試合もあれば何時間もかかる試合もあります。引き分けはありません。史上最長試合は2010年ウインブルドン男子シングルス1回戦。2度の日没順延を含む3日間で、なんと合計11時間5分が戦われました。
テニスは、身長、体重、年齢制限がなく「無差別級」のスポーツでもあります。男子、女子、ジュニア、ベテラン、プロなどカテゴリー分けされることはありますが、多くは「オープン」で、老若男女が一緒にプレーでき、かつ生涯プレーできるのがテニスの最大の魅力です。小学生と70歳がプレーすることもあれば、身長178cm、体重75㎏の錦織圭選手と身長211cm、体重104kgの海外選手がゲームを行うこともあるのです。
すべては同じサイズのコート、同じ高さのネット、同じ規格内のラケットとボールを使用し、同じルールのもと行います。コートは縦23.77m、横8.23m(ダブルスは10.97m)と縦に非常に細長く、その周りのスペースも使ってプレーをします。テニスは「場所(スペース)」と「時間」をつくり、奪うスポーツでもあり、そこに体格、体力、年齢差などを補って戦う余地が生まれるのです。
身長2m近い選手たちを相手に戦う錦織選手は、世界有数の「場所」と「時間」の“コントローラー” です。コートを三次元(縦、横、高さ)でとらえ、さらに俯瞰しているようなゲーム運びをします。刻一刻と変化する状況の中(一打一打は秒単位)、全体と相手を見ながら状況を見極め、瞬時に「正しい選択」をして実行に移していきます。
ここまでがテニスのゲームの全体像です。ここからはテニスの本質に触れる「特有のルール」と、「スポーツマンシップ」を紹介しましょう。
どの競技も、プレーヤーはルールを守り、審判のジャッジに従ってプレーすることが大前提です。そんな中、テニスにはプレーヤー自身が審判を行う「セルフジャッジ」というルールがあります。プレーしながら、自分側のコートのボールが、インかアウトかを判定し、もし判断できないときには「イン」とし、相手に有利に判定することになっています。子供を含め、誰もがこれを行えるようにしていくのです。
試合では勝敗を競いますが、テニスコートの「court」には「法廷」という意味もあり、プレーヤーはそこで「正しい選択」と「フェアプレー」を試されているのです。
勝者と敗者が決まってからも、まだ続きがあります。両者が歩み寄って握手をして、お互いを労うのです。これでゲームセット(終了)。相手に対するリスペクトの気持ちがさらに強いときは、抱き合って労うことも。その瞬間、敗者はもういません。そういったゲームができたプレーヤーと観客は、最高の気分に浸れます。テニスが世界中の老若男女に愛され、楽しまれるのは、こういうスポーツだからです。
どうぞテニスの世界へ! 私たちテニマガは、読者のみなさんがもっとテニスを好きになり、もっとテニスを楽しめるように、テニスライフを強力にバックアップして参ります。
ベースボール・マガジン社「テニスマガジン」編集長
青木和子―AOKI Kazuko
1993年入社。テニス専門誌「テニスマガジン」編集部を経て、2013年からテニスのWEB事業を担当。2017年10月にWEB「テニスマガジンONLINE」を立ち上げ、雑誌とWEBの編集長を兼任。
「テニスマガジン」
テニスが大好きな方たちのテニスライフを強力にバックアップするテニス専門誌。国内・海外のテニス情報を掲載。雑誌のレッスン記事をテキストに、著者から直接指導が受けられるリアルイベントが最近人気を呼んでいる。6月21日(木)発売の8月号の内容は、「フレンチ・オープン2018総力取材」「プレーヤーのための水分補給バイブル」ほか。
(「日販通信」2018年7月号「編集長雑記」より転載)