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  • 事件が起こる前に解決……って!?『探偵が早すぎる』で注目!今読むべきミステリ作家「井上真偽」とは?

    2018年06月28日
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    日販 ほんのひきだし編集部「新刊展望」担当
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    2015年、メフィスト賞受賞作『恋と禁忌の述語論理』でデビューした井上真偽さん。第2作目の『その可能性はすでに考えた』が主要ミステリ・ランキングすべてにノミネート、7月からは『探偵が早すぎる』が連続ドラマ化されるなど、いま注目のミステリ作家です。

    そんな井上さんの作品は、型破りな探偵をはじめとするキャラクター設定と、ミステリファンをもうならせる巧みなトリックの数々が魅力。果たしてどんな探偵が、どのような謎解きをみせてくれるのでしょうか? 『探偵が早すぎる』と『その可能性はすでに考えた』シリーズの2作品について、担当編集者である「講談社タイガ」編集長の河北壮平さんに文章を寄せていただきました。

     

    事件が起こる前に解決する探偵 VS 事件が奇跡だと証明する探偵 あなたはどちらから読む!?

    今、ミステリ界でもっとも注目されている著者・井上真偽さんをご存じでしょうか?

    井上さんは『恋と禁忌の述語論理(プレディケット)』にて、第51回メフィスト賞を受賞しデビューされた、真偽(マギ)の名に相応しい、魔法使いのように読者を魅了する物語の紡ぎ手です。

    そんな井上さんの『探偵が早すぎる(上・下)』(講談社タイガ)の人気が止まりません! 「早すぎる」って何が早すぎるのかというと「解決が早すぎる」。だって、事件が発生する前に犯人を指摘してしまうんです!

    父から莫大な遺産を相続した女子高生の一華。一族郎党が彼女の遺産を狙い、百花繚乱の完全犯罪トリックで暗殺を仕掛けてきます。そんな彼女を守るために雇われた名探偵は……なんと、犯人(未遂)が犯行計画中に「君、殺そうとしてるよね?」と指摘してしまうのです。そんな探偵に向けて、犯人は思わず呟きます。

    「俺はまだ、トリックを仕掛けてすらいないんだぞ!?」

    そんな早すぎる探偵は、メディアミックスが決まるのも早すぎる! なんと発売から1年で、コミカライズと連続ドラマ化が決定してしまいました! コミカライズは、三月薫さんにより「少年マガジンエッジ」にて好評連載中。ドラマは滝藤賢一さんと広瀬アリスさんのW主演で、〈読売テレビ・日本テレビ系にて、7月19日より毎週木曜23:59~、放送スタート〉です。どうかお楽しみに!

    探偵が早すぎる 上
    著者:井上真偽
    発売日:2017年05月
    発行所:講談社
    価格:759円(税込)
    ISBNコード:9784062940719
    探偵が早すぎる 下
    著者:井上真偽
    発売日:2017年07月
    発行所:講談社
    価格:792円(税込)
    ISBNコード:9784062940801

    ドラマ「探偵が早すぎる」についてはこちら

     

    あらゆるトリックを「見抜く」のではなく「否定する」面白さ

    さて、井上真偽さんを語るうえで、もう一つの傑作シリーズに触れないわけにはいきません。それは『その可能性はすでに考えた』(講談社文庫)、『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』(講談社文庫・7月13日発売)の2作。両作品とも、数多あるミステリランキングに軒並みランクインし、第2作『聖女の毒杯』は本格ミステリ・ベスト10の第1位にも輝きました。

    その可能性はすでに考えた
    著者:井上真偽
    発売日:2018年02月
    発行所:講談社
    価格:836円(税込)
    ISBNコード:9784062938532
    聖女の毒杯
    著者:井上真偽
    発売日:2018年07月
    発行所:講談社
    価格:836円(税込)
    ISBNコード:9784065119433

    名探偵とは、事件がどんなに実行不可能に見えたとしても、犯人のトリックを見抜き真相を推理するもの……ですが、本作の探偵・上苙(うえおろ)は違います。彼はとある事情により、この世に奇跡が存在することを信じています。そのため、不可能状況に遭遇すると、事件が奇跡によるものだ、と立証しようとするのです。ですが、それはまさに悪魔の証明――彼はすべてのトリックが不成立であるとの証明に挑みます!

    第1作で彼が遭遇する事件は、とある宗教施設で首を斬られた少年が、少女を抱きかかえ運んだ、というもの。次々と現れる刺客(通常ならば彼らこそが名探偵なのですが)たちが繰り出す、様々な事件の実行可能性を、上苙は「その可能性はすでに考えた」と喝破していきます。刺客たちの推理が反証・否定されていくのはなんとも痛快! 果たして、上苙はすべての可能性を否定し、この世に奇跡が存在することを証明できるのでしょうか。その結末は……是非、この2作を読んで確かめてください。

    ちなみに、『その可能性はすでに考えた』の探偵・上苙は、数理論理学とミステリを融合させたデビュー作『恋と禁忌の述語論理』(講談社ノベルス)にも登場しています。

    「事件を起こさせない探偵」と「事件はそもそも奇跡だったのだと証明する探偵」、あなたはどちらに心惹かれますか?  次々と新しい物語を生み出す、井上真偽さんから、もう目が離せません!

    恋と禁忌の述語論理
    著者:井上真偽
    発売日:2015年01月
    発行所:講談社
    価格:1,056円(税込)
    ISBNコード:9784062990387

    講談社 文芸第三出版部 講談社タイガ編集長 河北壮平


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