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「心を許した友は、あの少年Aだった」
生田斗真さん・瑛太さんのダブル主演、瀬々敬久監督をはじめ「64―ロクヨン―前編/後編」のスタッフが再結集して制作された映画「友罪」が、5月25日(金)より公開中です。
原作は「神戸児童連続殺人事件」を彷彿とさせる内容で刊行当時にも話題を呼んだ、ミステリー界の旗手・薬丸岳さんによる同名小説。かつて世間を震撼させた事件を起こした少年Aの“その後”と、周囲の人々の葛藤、疑心や後悔にとらわれたさまざまな人間模様が交錯し、やがて人間存在の謎に満ちた深みへと導かれていくヒューマンサスペンス――。本作は公開前から、今年大本命の映画として話題になっていました。
そんな映画「友罪」を、原作者である薬丸岳さんはどう観たのか? 公開を記念して薬丸さんから、本作についてのコメントが到着しました。
話題作を原作に持つ映画化ほど、熱心なファンの不安を掻き立てやすいもの。
しかし薬丸さんは、映画「友罪」を観て絶賛。映画化に際しては「芯の部分が変わらなければ、映画として記憶に残るものを作ってもらえたら良い」と考えていたそうですが、実際に脚本を読んで「なるほど」と感じ、完成した映画を観て「ただ一言、素晴らしかった」と大興奮。「『友罪』を映画にするなら、この方法が最善だった」とまで語っています。
なかでも心を鷲掴みにしたのが、実力派キャストたちによる熱演! 特に生田斗真さんと瑛太さんは、作品のテーマゆえ複雑かつ繊細な芝居が要求されていましたが、薬丸さんはそれぞれの演技に太鼓判を押しています。
生田斗真さんが演じるのは、辛い過去を抱え一人葛藤する元週刊誌のジャーナリスト・益田。働き先の町工場で瑛太さん演じる鈴木と出会い、友情を育てていきますが、“元少年A”である鈴木への疑問に突き動かされ、次第に自分の“ある罪”とも向き合っていく……という役どころです。
鈴木に巻き込まれていく益田は、観客が感情移入しやすいキャラクターでもありますが、薬丸さんはそれゆえに益田を「難役だ」と考えていたそう。しかし完成した映画を観て「生田斗真さんという存在を消した、益田がそこにいた」と演技を大絶賛しています。
一方の瑛太さんが演じた鈴木は、“元少年A”として他人との交流を避けつつも、どこか常人らしからぬ雰囲気を漂わせる人物。許されない罪を抱え、理解しがたい部分を持つ鈴木というキャラクターですが、薬丸さんは「原作のなかで、彼の心情についてはあえて描いていないところがあった」と語っています。
作者本人にとって、原作が完成した後もなお、とらえどころのない人物だった鈴木。それゆえに瑛太さんがキャスティングされたときは、「向いているのではないか?」「いや、はまっていないのではないか?」といずれの思いも持っていたのだとか。しかし出来上がった映画を観て、薬丸さんは瑛太さんの演技に圧倒され、「これが鈴木だ」と自然に感じたことを明かしています。
「日々報道される事件報道を見ても、多くの人が他人事のように捉え、自分からは遠いもののように考えているはず」と薬丸さんは語ります。
「でもそれはたまたまであって、いつ自分に降りかかるかわからず、気付かないだけで、実は重大な罪を犯した人が隣にいるかもしれない」――想像するだけで恐ろしいことながら、薬丸さんは生きるうえで、そうした考えを持つことの重要性を『友罪』を通して伝えているのだそう。
「もう一度観るのは辛く苦しい作品だけど、もう一度観たいと思わせてくれる映画。小説ではできない映像の力を感じたし、ラストシーンも本当に素晴らしかった」と熱っぽく語る薬丸さん。映画「友罪」は、この時代だからこそ観るべき一本だといえるのではないでしょうか。
監督・脚本:瀬々敬久(『64-ロクヨンー前編/後編』)
原作:「友罪」薬丸岳(集英社文庫刊)
出演:生田斗真 瑛太 夏帆 山本美月 富田靖子 佐藤浩市
配給:ギャガ
2018年5月25日(金)全国ロードショー
©薬丸 岳/集英社 ©2018映画「友罪」製作委員会