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5月10日(木)、窪美澄さんによる『さよなら、ニルヴァーナ』の文庫版が文藝春秋より発売されました。
『さよなら、ニルヴァーナ』は神戸連続児童殺傷事件を題材に、少年犯罪の加害者や被害者遺族、加害者を崇拝した少女など、「少年A」に人生を変えられていく人々を描いた小説作品。
14歳の時に8歳の女児を殺害し、その頭部を教会の前に置いた少年A。その少年にどうしようもなく惹かれていく少女と、彼女に亡き娘の姿を重ね合わせていく被害者の母親、少年Aの存在に引き寄せられていく作家志望の女……。彼らの自分ではどうしようもない“業”を描き、やるせない人間の姿に深く考えさせられる物語です。
作家志望の女性に、自身の作家としての“因果”を託して書かれたという本作。2015年6月のインタビューでは、「事件現場の景色」に触発されて書いたという創作の経緯から、“小説”そのものに込めた思いまで、窪さんにお話をうかがっています。
東京で働きながら小説家を目指していた今日子は、震災が起こった翌年に夢を諦め、母のすすめで実家に戻る。そんな中、過去に凶悪犯罪を起こした少年Aが地元にいるという噂を耳にする。
一方、神戸生まれで、東京に住む17歳の莢も、少年Aを崇拝し、「聖地巡礼」と称して事件現場などを訪れていた。
また少年Aに当時7歳の娘を殺された母親は、息子、夫とともに同じ場所にとどまり、一見平穏そうに見える暮らしを送っていたが、教会の人間から、Aのファンの話を聞かされる。
少年犯罪の加害者、被害者遺族、加害者を崇拝した少女、その運命の環の外にたつ女性作家……それぞれの人生が交錯したとき、彼らは何を思い、何を見つけるのか。