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頭の体操にもなる知的な遊び、パズル。クロスワード、ナンプレ、ナンクロ、アロー、スケルトン、間違い探しなどさまざまな種類があり、書店には、懸賞付きパズルがぎっしり詰まった「パズル雑誌」がたくさん並んでいます。
そんなパズル雑誌の中から、今回は「カナナンクロ館」の武田安優美編集長にエッセイを寄せていただきました。カナナンクロとは、ヒントワードのナンバーを手がかりにしてマスを埋めていくパズル。クロスワードよりもヒントが少ないのでハードルが上がる分、達成感も大きいそうです。
「アロー&スケルトン館」「猫のまちがいさがし」という2つのパズル雑誌の編集にも携わっている武田編集長。パズルの楽しみ方や効能(?)を教えてくれました。
「カナナンクロ館」は、カナナンクロパズル専門誌として創刊されました。
ナンクロは、ナンバークロスの略。ナンバーにカナが一文字ずつ当てはまるようになっていて、同じナンバーには、必ず同じ文字が入ります。ヒントワードのナンバーを手がかりにマスを埋めていく(時にはヒントがない難問もあります)地道なパズルでもあります。クロスワードのような親切なヒントはなく、閃きや知識が必要なので、慣れるまでは戸惑う方も多いようです。ただ、大変な分、マスが埋まった時の達成感はクセになるんですよね。
カナナンクロの例(下図)。すべてのマスに数字が振られていて、ヒントワードから「1=ハ」「2=イ」「3=ユ」「4=ウ」であることがわかります。
同じ数字のマスには同じカナが入るので、左上から始まる縦3文字は「ハイ◯」。3文字目には何が入るのでしょうか?
実は私、本誌の前身の「オールナンクロ館」という増刊雑誌を担当することになるまで、カナナンクロはちょっと苦手だなと思っていたのです。必要に駆られて解いているうちに、だんだん面白くなってきて、今ではなかなかのカナナンクロ好きです。雑誌が発売されるたびに、数日で全問解答を送ってくださる、猛者の読者の方々の速度にはまだまだ及びませんけれども。
目指すのは、カナナンクロを愛好する方と、これからやってみようかなと思っている方に、オーソドックスでありながらひと味違う、インプットとアウトプットを同時に楽しめる、良質な娯楽の時間を提供すること。問題のヒントワードに関する豆知識や雑学をはじめ、巻末にはあまり馴染みのない言葉をまとめた「難解語室」などをご用意しております。つまずいた時の手がかりに、きっと役に立つと思います!
インプットは入力、自分の中に知識や経験を取り込むこと。アウトプットは出力、自分の中の知識や経験を外に向けて表現することです。知らなかったことを知るのはわくわくしますし、ご家族や友人などに披露して、知識を共有する楽しみもありますね。
また、ちょっとしたストレスから頭を切り替えるには、短時間でも別のことに集中して、体を動かすのが効果的なのだそうです。悩み事や心配事がある時に、目の前のパズル問題に集中して、手を動かし鉛筆を走らせるのは、まさにうってつけなのです。気分が変われば、視野が変わって悩み事の打開策が見つかるかも知れませんし、クサクサした気分も晴れてくれるかも。
本誌の表紙が鳥と楽器の絵なのは、カナで出るナンクロ→カナデルナンクロ→奏でるナンクロ→音楽・楽器、と連想して、さえずる(奏でる)鳥と楽器の組み合わせになりました。表紙の鳥と楽器の豆知識コラムも連載中です。
ところで、カナナンクロはちょっと苦手だなという方には、「アロー&スケルトン館」がオススメです。こちらは、アロー(数字の代わりに矢印の示しているマスに単語を埋めていくパズル)とスケルトン(提示された単語を全てのマスに埋めていくパズル)を中心に、多数のバラエティーパズルを詰め込んだ、老若男女が楽しめる、イラストもたくさんの雑誌です。かわいいエゾリスの女の子が表紙の看板娘で、ページを開くと三人のマスコットキャラクターたちがお出迎えいたします。この子たち、ありがたいことに、だんだんファンが増えてきたんですよ。
「アロー」は、絵や写真をヒントにマスを埋めていくパズル。絵から矢印が延びているところに、矢印の方向に沿って、その絵が表しているワードを入れていきます。
ヒントフレーズについても同様です。
「スケルトン」は、書き入れるワードがあらかじめ決められているパズル。ワードはそれぞれ1度きりしか使えないので、チェックボックスで確認しながら埋めていきます。
さらに文字のパズルは嫌だなぁ、という方や猫を愛してやまない方には、ページをめくってもめくっても猫、ねこ、ネコのイラストが満載の、「猫のまちがいさがし」をどうぞ! 誌面は違いますが、どれも私の関わっているパズル雑誌です。一人でじっくり解くのも、みんなでわいわい解くのも、違った楽しみがあります。とはいっても、夢中になりすぎて、寝不足にならないように気をつけてくださいね。
忙しい方にも、時間を持て余している方にも、パズル雑誌は有意義な知的遊戯として、また、ご家族や友人同士の会話の一助になり、もの寂しい日の友にもなる、いつでも傍らに寄り添う存在であり続けたいと願っています。
ワークス「カナナンクロ館」編集長
武田安優美―TAKEDA Ayumi
2015年入社。「アロー&スケルトン館」「カナナンクロ館」を創刊。現在、両誌の編集長。「猫のまちがいさがし」の編集も担当。
「カナナンクロ館」
「オールナンクロ館」からタイトルを変えてリニューアルした、カナナンクロ専門のパズル雑誌。全問豪華プレゼント付き。長めの応募期間が忙しい人にもうれしい。3月2日(金)発売の4月号は、巻頭特集「ぽかぽか春の日」パズルなど、オール新作ナンクロ全51問を掲載。次号は6月2日(土)発売。
(「日販通信」2018年5月号「編集長雑記」より転載)